山の神 山仕事をするものを守護する神の名。高山霊岳の山岳信仰を支える山宮とは異なり、山菜を採り、薪を伐採する山民たちの日常で祀られる例が多い。民間の山の神祭祀を通観すると、その祭日は大きく二つの類に分けられる。一つは正月年頭の初山入り・初山踏みで、もう一つは、春秋二期にほぼ定期的に催される山の神祭である。前者は初山仕事ともいわれ、年頭に初めて山入りし、山神に御酒や鏡餅などを供えて神拝したのち、一束か二束の薪を伐り、また小正月の繭玉づくりの枝などを担いで帰るこれに対し春秋の山の神祭は、炭焼き、樵夫などの山仕事のものが執行する。講仲間が山神祠の前で祈念を捧げた後、山を下り、宿で盛大な宴を張る。そして以後山へ入る事を厳重に忌む。この日には山の神と田の神との交代が行われるといって祝い餅を撒くところもある。 明治十丑年六月十二日 発願主 綱取村 古沢久右エ門 セハ人 間沢村 他三人氏名 刻記
|