何しろ500円のDVDタイトルですから粗悪品だとお思いください。MGMミュージカルがレトロな上に、明らかに旧来のビデオパッケージをダビングしてDVDにしました、というもので二重にレトロです(笑)。画面がもやーんとしてます。
何と言ってもこれはレナード・バーンスタインのミュージカル作品「On the Town(踊る大紐育)」。これがMGMミュージカルの代表作ということもあり二重に楽しめます。
このどうでもいいストーリー展開。好きだなぁ。終戦直後のニューヨークが舞台。銃後の護りというのか、婦人がタクシー運転手をしているという辺りには世情があらわれて面白い。自然史博物館で歌い踊る場面など脳天気で大好きですよ。
ちょっと気づいて面白いと思ったのは女運転手の名前がブルンヒルダ。これはブリュンヒルデですね。楽劇「ワルキューレ」の長女の名前と同じですよ。こういうネーミングはドイツ系ということではないんでしょうか。
音楽のノリはとてもいい。1945年の日本の状況や人々の意識ということを考えると当時のアメリカ社会は熟れきっていますよね。同時代で比べれば、この豊かさは何だろうというぐらいに違うはず。
いつどこで買ったか覚えていないのですが、マイケル・ティルソン・トーマス指揮ロンドン交響楽団による「On the Town」のCDを持っています。1993年printedとなってる。「ウェストサイド物語」は昔は映画のサントラ盤で聴いてきたのですが、バーンスタインの指揮によるイスラエル・フィル(キリ・テ・カナワ+ホセ・カレラスの歌)のレコーディングを聞いて、質の高い演奏に初めて触れました。「On the Town」も同じ。映画よりも音楽自体はずっといい。はっきり言って同じ作品とは思えないぐらい。映画を観て、このCD聴くと興味が一層深くなります。
ひまつぶしで見るには悪くない映画ですよ。
満足度★★★☆☆
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