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映画:雨に唄えば

カテゴリ: おすすめレビュー(映画など) 地域: どこか
(登録日: 2005/12/03 更新日: 2024/09/30)


1952
ジーン・ケリー, スタンリー・ドーネン
ジーン・ケリー, ジーン・ケリー, デビー・レイノルズ, ドナルド・オコーナー

この「おすすめレビュー」は、mixiの「おすすめレビュー」に投稿したものです。
 

おすすめレビュー


昔、ミュージカル映画というのがあった。今となっては過去形です。20世紀レトロと言えば何と言ってもMGMミュージカルでしょう。その中でも一番MGMミュージカルらしいのが「雨に唄えば」かもしれませんね。

何がレトロでいいかというと、まずはどうでもよいご都合主義のストーリー。脳天気。いい時代ですよね。当時マッカーシズムが吹き荒れていた世情で楽しい娯楽が求められていたという時代背景はあったでしょうが、そうでない時代からMGMミュージカルは伝統的に脳天気でした。理屈抜きに楽しめる大切な条件。次にいかにもセットで撮りましたという作り。屋外の場面にもかかわらず影が幾筋できても気にしない恐ろしいぐらいのリアリティの欠如。ショービジネス精神に貫かれています。いかにも作り物という感じを露呈してはばからない凄さがあります。ミュージカルはこれだから楽しめた。次にテクニカラーというカラー技術のけばけばしさ。これがいい。このけばけばしい発色がなければミュージカルではないというぐらいのノスタルジーを感じます。

「人生くじけず楽しく明るく生きよう」というメッセージは時代を超え国を超え万人を勇気づけてくれます。永遠に受け継がれる人類の遺産ですね。

Sight&Sound誌の映画史上のベスト10(Critics' Top Ten)で、「雨に唄えば」が第4位にランクされたのは驚きもものき。2002年の最新ランキングでも何と10位。映画の製作プロセスをドラマにした、いわばメタ映画だという理屈を言う人がいる。そういうものですかねえ。

何と言っても素晴らしいのは「雨に唄えば」のオープニングショーで、幕が上がったら吹き替えだったというのがわかって爆笑を買うシーン。あそこは最高です。「グッド・モーニング」もいい。ジーン・ケリーが雨の中で踊る「雨に唄えば」。あそこは映画史上に残る名場面。今さら言うまでもないでしょう。

イチオシのミュージカル映画です。

満足度★★★★★
 
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