香川の金毘羅さんと俗に呼ばれている金毘羅宮は、香川県仲多度郡琴平町に鎮座し、祭神は大物主神で、相殿に崇徳天皇を祀っている。この神社は明治7年(1874年)に現在の金刀比羅宮となるまでは象頭山金毘羅大権現と称していた。金毘羅宮の信仰圏はほとんど全国に及んでおり、特に舟に乗る職業の人たちはこの神を厚く信仰している。讃岐の金毘羅参りは信仰を兼ねた見物旅行として江戸期に庶民の間で盛行した。金毘羅講の習俗をみると、一定の日に宿に集まり、くじ引きによって代参者を決め、旅費が集められ、代参者によって配札が行われている。「象頭山」と刻まれた塔も金毘羅講の石造供養塔のひとつである。これらの供養塔の造立の時期は、江戸中期以降となっている。
表面 明治四牛□年 金毘羅大神 三月吉日 當所 彦左衛門
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