三吉大神(秋田県) 力の大神、荒神として尊崇せられる。諸願成就の霊神としても名高い、秋田市にある三吉神社は天保五年 辰(たつ)伝之助翁(当時姓は小川)が父重病にして九死に一生の際 天性の強烈なる孝心全身に発動し産土神(八幡宮)に日夜祈誓 或る日の丑の刻 翁に三吉大神祭るべしとの産土神の神託あり その神示に従い木曽吉山(今の太平山の中岳で市内より眺むれば正面に三峰中一段高く大きく聳える峰を開き大神を鎮祭す 当初山麓の金山瀧の傍らに岩穴を掘り 祓戸大神 火結神 並びに三吉霊神の御尊像を奉安 日夜艱難辛苦神教に従い 木曽石口登山道を切り開きつつ 金山瀧神社 釣志嶽神社 神仙山神社(前岳)を草建 女人堂に篭りつつ修業怠りなく遂に 嘉永二年中岳に木曽吉山神社を創建 ここに始めて三吉霊神を奉斎 三吉信仰の発祥となる。
明治十七年
三 吉 神 社
甲申九月吉祥日
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