[ 報告書目次(第2章)へ戻る | ←← | →→ ] [ 報告書目次(第2章) ]

2-3. 情報資源の評価のあり方に対する対応策

報告書目次: 第2章 地域文化情報のあり方に対する検討
(2002/04/11 更新日: 2019/06/17)



 データベースに蓄積された情報資源の正当性・有用性等を文化研究の専門家の評価基準から評価することは、データベースの質を保持し、さらに高めていくために必要なプロセスである。
 従来、文化的資料を発表するためには、その分野の専門家が内容の監修・校正に関わることにより、情報の質の保証を行ってきた。しかしながら、県民参加型のデータベース制作にこれと同様の体制で臨むことは極めて困難である。
 これについては、情報提供者の責任で情報を提供することを前提とする方針の合意が必要である。山形県のデータベースであるから、県がデータベースの内容の全てに責任を持つという考え方で対応を図ることは現実的ではない。
 具体的な解決策としては、分野ごとに(例えば民話、草木塔、紅花文化などの分野ごとに)、ボランタリーに参加していただける専門家の協力を得て、間違いがあればそれを情報提供者に指摘できるようにすることが考えられる。これに電子メール、WWWのCGIなどの双方性のメディアを活用することは現実的な解決策の一つである。
 現状では、専門家の全てがインターネットを利用できる環境にある訳ではなく、また情報技術を活用するには不得手な方も多いことから、分野ごとの研究グループを何らかの形で組織し、あるいは文化施設の文化的活動にこの助言の役割を担っていただくことにより、データベース制作に対する助言をいただいたり、プリントアウトしたコンテンツの内容を確認していただくといった方法を取ることも考えられる。
 情報提供者が多様化した場合の評価方法は前例がなく、具体的にこの課題をどのように解決していけばよいかは、今後とも検討が望まれる。
(執筆者: 前川道博)
Copyright (C) Michihiro Maekawa. All Rights Reserved.

[ 報告書目次(第2章)へ戻る | ←← | →→ ] [ 報告書目次(第2章) ]
[ ホーム | 報告書目次 ]

[ 山形県地域文化情報館 ]