韓国映画『風の丘を越えて(西便制=ソッピョンジェ)』(1993年、林権澤監督)のサウンドトラックCDを買ったのはだいぶ昔のことです。たぶん1993年、韓国に行った時ではないかと思うのですが…。
ちょうどこの映画が韓国で封切られて史上空前の大ヒットとなったことが話題になっていた頃です。たまたまソウルの国立劇場へ国楽の演奏会を聴きに行ったら、何と映画の主演のキム・ミョンゴン氏と劇場のロビーでばったりと出会い、お話する幸運にも恵まれました。そんなこともあって、『ソッピョンジェ』は思い出深く懐かしい。
それから十数年が経ち…。たまたま自動車の中でこのCDを聴いていました。あれあれ、と思いました。何と曲名が日本語で表示されています。「キル」は『道』、「イサン・チョサン」は「この山あの山」。紛れもなくCDの曲名とばっちり合っています。これまで全く気がつきませんでした。CDは言うまでもなく韓国のレーベル「(株)ソウル音盤」です。韓国語をご存知の方ならわかると思いますが、曲番が「1、2、3…」でなく、「ハナ、トゥル、セーッ…」という固有語で書かれています(日本語の「ひ、ふ、み」に相当)。
韓国の国粋文化そのもののようなこの映画と音楽のCDに日本語が隠されていたのが面白い。当時、CDの制作は韓国ではどのようにしていたのかなど、謎解きの興味が今になって起きてきました。
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