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ミッチーのほぼ日記

[07/02/24]★ザルツブルク音楽祭「フィガロの結婚」

カテゴリ: [2007]ほぼ日トピックス 地域: どこか 束ね: その他
(登録日: 2007/02/24 更新日: 2024/02/22)


昨年2006年のクラシック音楽で世界的に最も注目を集めたのはザルツブルク音楽祭で上演された『フィガロの結婚』では?

アーノンクールの指揮。昨年、たまたまNHK FMで放送されていたのを聴いて、これがあの『フィガロ』かと思うぐらいに斬新で衝撃的でした。遅く揺さぶる指揮。根本的にオーケストラの奏法が違う。古楽奏法なのではないでしょうか。加えて歌手たちがかなりうまい。

その『フィガロの結婚』が今夜2/24 22:00〜放送されます。
http://www.nhk.or.jp/bsclassic/special/index.html

昨夜、たまたまザルツブルク音楽祭2005の『椿姫』を見ました。何気なしに見ていたら、ヴィオレッタを歌うアンナ・ネトレプコが凄い。つい引き込まれて最後まで見てしまいました。最後にはスタンディングオーベーション。クラシックでは珍しい光景。

今夜の『フィガロの結婚』のスザンナがアンナ・ネトレプコ。ザルツブルク音楽祭2004の『戦争と平和』でかなり注目され、翌年の『椿姫』翌々年『フィガロ・フ結婚』と連続出演。NHKのウェブページをみると、アーノンクールよりもネトレプコがウリのようです。
 

事後の感想


昨夜、待望の『フィガロの結婚』を見てどっと疲れました。これまでに全く見たことのないタイプの上演でした。テンポが抑制されて、歌手はテンポとタイミングの取り方が難しそうでした。障害物競走で前につんのめるような感じ。このテンポにつきあうと聞いている方まで疲れてきます。

ドイツ的な様式美の上演という印象。あまりモーツァルトを聞いているという感じがしない。『ヴォツェック』を見ているような感じです。あの衣装は明らかに20世紀前半のものでしょう。この上演では村人たちだけでなく『制服の処女』のごとく女学生が制服を来て出てくる。これはちょっと面白い演出。

終演後の拍手は『椿姫』ほどの物凄い感動の嵐とはほど遠い…。意外に拍手が控えめ。スザンナ、フィガロ役よりもケルビーノ役のクリスティーネ・シェーファーへの拍手が一番大きかった、というのが意外。シェーファーはブーレーズの『月に憑かれたピエロ』を歌った人。名前を聞いて思い出しました。

前半は遅いテンポの異化作用。さんざん上演されて新味のなさそうな演目でこれだけ新たなことがやれる、ということが驚きです。満足度はかなり高い。ただ同時にかなり疲れる。話題の上演をテレビで見ることができて幸運でした。
 
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