テレビ朝日の番組『題名のない音楽会』が放送開始から50周年を迎えたのを記念した番組が放送されていました。昨日6/1の朝の放送は見逃しました。BSで再放送されるので、そちらで見ようと思います。
私は一度この番組の公開放送を見に行ったことがあります。当時の番組の司会者は羽田健一郎さんとアナウンサーの大木優紀さん。 その大木優紀さんの当時のブログ記事がネットに出ていました。 http://www.tv-asahi.co.jp/announcer/personal/women/ooki/essay/12.html
我が家のアーカイブ画像からその時の画像を拾い出してみました。 2006/06/04です。軽井沢大賀ホールで公開放送があり、その番組収録を一観客として見聞してきました。この話題、どこかへ書いた記憶があるのですが、「あれどうしてないのだろう」と思っていました。当時、mixiに書いていました。その記事は「ミッチーのほぼ日記」に転載してあります。 https://www.mmdb.net/yamagata-net/usr/mae/hobo/page/A0405.html
余談ながら今回、その時の写真を見直していたら、休憩時間の風景の中に国連の高等弁務官をされていた緒方貞子さんのお姿がありました。そのほかにも我が国のVIPが何名かいるように見えます。この辺はさすがに軽井沢という避暑地のグレードではないでしょうか。
『題名のない音楽会』は私がクラシック音楽を好きになってよく聴くようになった1979年(大学2年生の時)の前後から時折り見てきた番組です。司会者でもあった作曲家の黛敏郎さんが企画した毎回の趣向が面白く、そのいくつかは特に印象深く残っています。その一つが美空ひばりさんにイタリアオペラを歌わせた時の回。歌謡曲の歌姫に場違いのクラシックを歌わせようという、ある意味、歌謡曲蔑視とも受け取られかねない企画でした。プッチーニの『歌に生き、恋に生き』を歌わせました。しかし、美空さんの歌唱が素晴らしく、オペラ歌手に不足している表現力を露呈させてしまうような歴史的な名唱になっていました。永遠に記憶に残る歌唱でした。
『題名のない音楽会』は音楽の素晴らしさを啓蒙する役割のある番組です。レナード・バーンスタインがアメリカで子ども向けに放送していた音楽番組をモデルにしているのではないかと思います。そうしたクラシック普及番組の草分けとしての役割も果たし、その後の新たな音楽普及番組『オーケストラがやってきた!』などを派生させたのではないかと思います。
この番組を見て次第にその存在を強く意識するようになったのがスポンサーの出光興産です。番組が50年間続いたことがまさにこの企業の貢献によるものです。現代風に言うとまさにCSR(企業の社会的責任)の活動に他なりません。出光が日本の音楽、とりわけクラシック音楽の普及に果たした貢献の大きさは計り知れないものがあります。その最もシンボリックな活動が『題名のない音楽祭』のスポンサーとしての貢献です。
軽井沢で公開放送を見た時、正直驚いたことは、番組の収録のためにイスラエルからオーケストラ団員全員を軽井沢へ呼び寄せたということ。出光という大企業からすれば、そのための経費はたいしたことはなかったのではないでしょうか。贅沢なほどのスポンサーぶりに脱帽しました。
昨日、見逃した50周年特集を来週の再放送で見てみるのが楽しみです。
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