蚕は家畜!? 農家などで飼われる蚕は家蚕(かさん)とも呼ばれ、紀元前5000〜7000年前の古代中国で誕生し家畜化され、世界各地に広がりました。当初の蚕は吐く糸の長さが短く、糸質が悪く、病気にもかかりやすかったので、長い年月をかけて品種改良されてきました。 家蚕は、孵化した時は黒くて3mmくらいの大きさですが、繭になる約25日間のうちに約25gもの桑を食べ、4回も脱皮して体重5〜7g程度にまで大きくなり、長さ1300〜1500mに及ぶ糸を吐いて繭を作ります。 家蚕は野生回帰能力を完全に失った珍しい昆虫で、腹脚、尾脚の筋力がなくなっているため自力で樹木に付着し続けることができず、風が吹くと簡単に落下してしまい、自然の中で生きることは全くできません。人間の手助けなしには生命を維持することができない家畜化された昆虫です。
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