| レクチャー後の質疑応答
 前川/質問あったら、ここで少し、言って下さい。
 何かご質問はありませんか?
 区切りのいいところで休憩します。
 (録音しているので大きな声でお願いします。)
 
 
 ●●XMLとメタデータ
 
  質問/XMLにすると一つ一つにタグをつけるので、データが重くなるが、その点は?
 本間/XMLを中間的なデータ形式とみてリレーショナルデータベースに変換するソフトも開発されている。
 XMLを直接専門に扱うサーバー(註:イグドラシル)も開発されている。
 また、メタデータを扱うMPEG7というのがあり、主に動画の管理ですが、いろんな意味付けをしながらデータを使ってみようとしている。そこでは、それらのメタデータを圧縮するということもしている。XMLのタグはメタデータとみることもでき、それが冗長になることもあるが、この例のように、それを圧縮するという方向もある。
 いろんな可能性があって、どこでどの段階でとはまだ言えない。
 一つ言えるのは、データをオブジェクトとして見る場合、オブジェクト指向データベースを考えたとき、XMLは、オブジェクトデータベースとの整合性もよく、マッピングができるので将来的なデータベースの構想には期待できる。
 /ありがとうございました。
 前川/ほかに何かご質問はありませんか?
 
 
 ●●映像アーカイブと著作権
  質問/オープンソースというと、プログラムというイメージがある。
 先ほどアーカイブ素材の話がでてきましたが、初めてそういうのがあるのかとわかった。
 芸工大でいろいろアーカイブのプロジェクトがあると聞いたが、オープンソースとして自由に使えるのか、勝手に使っていいのか? 著作権とか気になるのですが。
 もう少し詳しくお聞きしたい。
 本間/アーカイビングプロジェクトについては前川先生から。
 前川/山形映像アーカイブリサーチセンターが取り組んでいるのは、映像リソースをアーカイビングすること。
 本間/先にアーカイビングをやりたいというのは、機能のそのものをオープンにしたいということで、もの自体をオープンにするのはまた別問題。
 仕組みとして、オープンにしたり、著作権のガイドラインを使って勝手に使わないようにするのは、今後出てくると思う。
 以前前川先生から話があったコンテンツIDのように、各コンテンツに名前をつけて勝手にコピーができないようにするなど、いろんな取り組みがなされてくるので、商業的なものだけでなくて、オープンな状況ででもできれば面白いと思う。
 
 
 ●●オープンソースに向くソフトの分野前川/オープンソースの概念はわかったと思うが、具体的にイメージがわくような話はないですか?
 本間/実際にオープンソースで開発されたものは多く、オープンソースのサイトを見てもわかるが、一つ言えることは、オープンソースで開発されたものは今までシステムの部分が多かった。
 電子メールのサーバーとか、システムソフトが多かった。
 最近グラフィックスのソフトとか出てきた。
 グラフィカル・ユーザーインターフェースを使うソフトでも、オープンソースのものが出てきた。ただ、グラフィカル・ユーザーインターフェースは、後追いが多い。例えば商用のフォトショップを追いかけている、とか。
 デスクトップの環境やWindowシステムの環境でも、オープンじゃないものの例を追っかけていることがある。
 そういう点では、オープンソースに向くのと向いてないのがあることも確か。
 今回のPopCornはそういう意味ではシステムに近い。
 目的や仕様が明確に記述できるのが向いている。
 もうひとつ、PushCornというのもある。
 ユーザーインターフェースが入るのでこちらはかなり仕様の自由度が高い。
 ユーザーが多く、何百人・何千人が使うので、いろいろな要求が出る。PopCornでシステム的アプローチで取り組んだほうが、目的がはっきりしていいかなと思う。
 具体例になってないが、オープンソースで扱っているソフトは目的と機能が明確な方がよい。
 
 
 ●●コピーレフト:著作権を超える知恵前川/オープンソースはプログラムを指すが、権利に対する概念でもある。
 著作権は、コピーライト。
 知的な著作物を保護するルールになっている。
 著作権はどう発生するか?
 国によって違うのですか?
 日本では作った人が、誰かが何かを作ると著作権が発生する。
 その人が「著作権を放棄します」といわないとその人のもの。
 誰かがプログラムを作るとその人の著作物になる。
 他の人がいただいてはいけないわけです。
 法律で保護されるがそれでは流通していかない。
 そこで、ソフトウェアをオープンソースにする動きができてきた。
 権利として持つことができる。
 誰が使ってもいいと宣言する。
 誰が使ってもいいよと宣言すると、際限なく使っていくことができる。
 そういう権利を、考え方をコピーレフトという。
 コピーレフトという言い方をしている。
 コピーレフトは、コピーライトに挑戦して作った造語。
 自由主義の精神性がある。
 非常に理想主義的なアメリカだからでてきたというところがある。
 日本ではこのような概念ができない。
 日本のような著作権という概念が希薄な社会には馴染まない概念。
 
 本間/自分が得た知識を共有していくという概念があって、科学は発展してきた。ストールマンが行っているのは、みんなが共有する必要があるということ。
 特許とか著作権とかで囲ってしまって、自分だけがお金儲けするという対象にしてはならない。
 そういう対象にソフトを入れてしまってはいけないとストールマンは言っていると思う。
 
 
 ●●Kさんのデータベース管理ソフト開発とコミュニティ
 前川/今日、初めてのKさんをご紹介します。
 独自でプログラミングをしてオープン管理しようとしている。
 どういう取り組みをされているのかお話ください。
 
 
  K/初めまして。
 今、データペースの管理ソフト、アドミニストレーターソフトを開発しています。
 オープンソースソフトウェアで私一人で開発してる。
 一人で開発していくと難しいところもある。複数でやるとバグの報告があるとか、メリットは大きいとは思うけど一人だと難しい。
 このソフトを作り続けて2年になる。
 オープンソース、ソースコードを紹介して、ユーザーにいろいろご意見をいただいて、技術的なことを聞いたり、自分で技術を磨いて行くには素晴らしいと思う。
 一人で開発しても、最初何もわからないが、だんだんとコミュニティというもので技術が身についてくる。
 前川/何かご質問ありますか? 5分くらい休憩します。
 (休憩)
 
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