三宝荒神(さんぽうこうじん) 仏・法・僧の三宝を守る荒神であるといわれており、また『旡障礙経』では如来荒神・鹿乱荒神・忿怒荒神の三身をいうと説いている。しかし、仏教の経典には説かれていない。陰陽師などがその崇敬を説いた民間信仰の神ではないかと思われる。荒神というのは、温和な容姿を備えて福徳を与える神に対して何事も障礙をなす神、つまり十分に畏敬の念を示さないと祟りをする神、荒ぶる神の意味であるといわれている。一般的には竈の神、そして台所の神として信仰され、江戸時代には台所に必ずといってよいほど祀られていた。自然石に文字を彫った塔は東北地方に江戸中期以降、多く見られる。
明和三年 八月吉日 荒神
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