仏足石 山岳宗教のメッカ出羽三山登拝口の一ッ本道寺社務所拝殿の前。切り石段の下り口に全国でも珍しいと言われている仏足石がある。そこに次の様な文面の仏足石に関する解説が書かれてあって多くの考古研究者達の資料に供している。仏足石は釈尊の足下相が転写されたもの。仏の三十二相のうち千福輪の相を主視したもので全国に百二十余ヶ所現存するが当仏足石は修験道に千連をもつ類例のない文様を表し全国に三ヶ所しかない貴重な文化財である。 即ち奈良薬師寺仏足堂にあるもの(国宝)、羽黒山黄金堂にあるもの(弘化四年造顕)、当仏足(文化七年造顕)の三基である。 昭和四十七年一月十六日 以上の通りであるが仏法の開祖印度の御釈迦様が入仏直前から自らの足の裏の相をそっくり石に刻んだもので仏三十二相の内の一ッ千福輪を主に刻ったものであるという。相の刻まれてある石の大きさは縦、横とも約六十センチ位厚さ四十センチ仏足の長さは約三十五センチ程のものである。これを礼拝する風習はインドからはるばる日本へ入って来たものであるといわれている。この貴重な文化財も現在では大きく破損したまま片方だけしか残っていないが、羽黒派の天台宗と湯殿山派の真言宗との争いが起こる以前までは両足が満足に在ったものだという。
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