千日前通の国立文楽劇場前に「旧跡二ツ井戸」の碑と説明板が建っています。2012年に「高津地区まちづくり推進協議会」が、旧跡二ツ井戸の謂れを記したものです。
そこに再建された井戸は原寸ではないイミテーションです。そのような形状のものだったようですが、全くリアリティがありません。本来井戸があった場所でもありません。それはそれとして、説明文を読むとなるほどと合点するところがありました。
二ツ井戸は1634年頃からあり、『摂津名所図絵』(1794年)には名所の一つに選ばれた有名な井戸だったようです。
高津町(江戸時代の高津五右衛門町)には銭座があり、寛永通宝などの貨幣が鋳造されたと言います。そのためにも井戸水を必要としたのでしょうか。
そう考えてみると、明治に入り、造幣局が大阪に設置されました。そうした貨幣鋳造の歴史背景の場所であるという見方をすることもできます。
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