万世橋も関東大震災後に建設され直した橋の一つです。見た感じ、常盤橋ともよく似ています。鉄筋コンクリート造で石造風に見せかけています。コンクリート造はおそらく当時はモダンで、都心の橋はこの様式で統一しようとしたのではないかと推察されます。
「昭和五年三月完成」と刻まれています。当時の橋が現在もなお耐えていることに賛嘆します。
しかしながら、橋自体の存在感があまりありません。さらにこの見栄えもどうも…。
周辺の建物が高くなったことに加え、秋葉原周辺のビル群の雑駁ぶりがこの橋の存在感を弱めているのは否めません。肉の万世のビルの看板「万世」によって橋名が示されている状況も皮肉です。
さらに排気ガスに汚れた外観を薄汚ないと感じるのは私だけではないでしょう。せめて外面を洗浄して少しでも綺麗に甦らせてもらいたいものです。大震災の教訓で建てられた耐震性にすぐれた橋は、先人たちが後世に向けて伝えた「震災被害を繰り返すな」との強いメッセージです。
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