JR山手線の上野の一つ手前が鶯谷です。茨城から東京へ行く時、必ず通過した駅が鶯谷。その後、東京で暮らしていた期間も、数限りなく鶯谷を通過こそすれ、一度として鶯谷に降りることがなかった!
文京区白山には20年ほど前、2年間ほど住んでいました。私の本籍地です。地図で見ると日暮里までは1.5kmぐらい。山手線や常磐線に乗るのにも日暮里が最寄の駅だったとは…。
白山を久しぶりに訪れるのに鶯谷で降りるのがいいと、20年経ってやっと気づきました。距離的には日暮里が近いですが、「鶯谷」ってどんなところ? というのもこの時に湧いた興味。そういえば鶯谷で降りようという発想はかつては全くなかった。鶯谷から白山へはタクシーで移動しました。途中、谷中を通り、団子坂を通り、お馴染みの場所・白山へ。途中、下町の町並みが豊かに残っていて実にいい。感動しました。東京のこの歴史的な空間は何物にも替えられない。六本木ヒルズが表層的に思えてきました。すぐ近くに長く暮らしながら、この辺の魅力に気づけなかった…。暮らしながら気づかない。見ているはずなのに見ていない。鶯ならぬ青い鳥だったかもしれません。2006年の暮れに思いがけない体験でした。
|