大阪歴史博物館に行きました。ご覧のとおり比較的新しい建物です。隣接するNHKのビルとのコンビネーションを意識しての設計なのでしょうが、どちらかがどちらかへ傾きかけそうな変わった建物でした。ビルの下ではビル風が舞い続けており、どうもこういうビルは善し悪しの印象を受けました。
さらに問題だと思ったのは博物館の展示そのもの。どこかで見た展示とウリ二つですっかり見学しての印象が薄くなってしまいました。東京の両国にある江戸東京博物館とそっくり同じ。町並みの再現、時間軸に沿った展示構成、その時代の文物の展示など、ホントにそっくりで、大阪特有のものの印象がその酷似さゆえにかき消されてしまったという印象でした。展示設計を業者に丸投げしたのではないかと思わせるものでした。「大阪の主体性はどこにあるのか」と問いたい。
おまけに豊臣氏や大阪城に関する展示が一切ありませんでした。大阪城博物館と展示を分担しているらしいことはわかりましたが、「歴史博物館」と名乗りながら、肝心要の豊臣氏・大阪城をすっかり除外したことは一種の弊害と言ってもよいでしょう。
唯一、救われたのは大阪城の全体を俯瞰できること。この眺望だけは素晴らしい。そのために大阪城の向かいに建てた、という立地のよさを享受することができました。
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