座学のみの授業は生徒ばかりでなく、誰にとっても辛いものである。どの学校においても、地元をよく知る生徒は極めて少ない。そればかりでなく、そもそもにおいて教員が知らない。皆で知らないからできないのではなく、皆が知らないから教員も生徒もお互いに教えあい、学びあえるアクティブラーニングはそのスーパーソリューションとなりうる。
「蓼科学」は、立科町の歴史や文化に詳しい地元の有識者を講師としていわばオムニバス形式で計画されてきている。生徒の立場からすれば、最初から興味の接点が持てない「地域」を興味が持てないままに受講すると、その講座内容の知識の深さや質の高さがあっても、受容のしようがなく、内容は頭に入らず、効果を低めるのは残念なことである。
地域の歴史や文化は外部からどんなに知識を供給しても咀嚼できるものではない。こうした「知識を施される」タイプの授業ではなく、生徒たちがそれぞれ地域に対する理解を深めるためには、その見方や興味の引き出し方を指導しながら、生徒たちが「面白くてやめられなくなる主体的な学び」をこそ導入したい。2015年度の「地元から地域を学ぶ『立科町探検隊』」(全8回)は、生徒たちが自分たちが設定するテーマ(疑問)により自ら探求をし理解を深めるアクティブラーニング型の授業として実施した。2016年度は全10回に増やし、さらにその学習効果を高める方向で取り組んでいる。
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