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ミッチーのほぼ日記

[13/04/12]サエラコンサートを聴いて

地域: 岐阜県
(登録日: 2018/07/15 更新日: 2024/02/22)

【CC-BY】

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記録日: 2013/04/12


サエラのコンサートの社会的意義


それほど知名度があると思えないサエラが各務原で満席に近いような集客がされる状況に驚きました。このコンサートはMIN-ONが主催しており、東海各所で都合4回のコンサートが催されています。2/20伊勢市、2/21多治見市、2/23大垣市、4/12各務原市、です。メジャーが関わり、ビジネス的な動員の仕掛けがあるのではないかと思います。

それはそれとして、一般的な社会状況を考えると、昭和が次第に遠い時代になり、「懐メロ」という社会ニーズに対してそれに応えられるコンサートの企画が必要とされる時代になったことを物語っています。サエラの歌のように澄んだ癖のない歌で昭和の歌や昔からの愛唱歌が上演されれば言うことありません。本来、昭和歌謡は歌い手や歌われる機会が継承され続けなければならないにもかかわらず、その然るべき継承者がいない、ということに問題があります。サエラはその社会ニーズに応え、一般に満足できない隙間を埋めてくれていると見るのが至当ではないかと思います。
 

当日の曲目


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記録日: 2013/04/12



何と言っても魅力的なのが、この日のプログラムです。「『うた』と『ぴあの』が紡ぎだす絆」というコンサートのキャッチコピーが端的にこの日のコンサートの特色を伝えています。澄んだ綺麗な歌声による歌の合間にボーカルの菊地由利子さんが親しみやすい語りを交えて、誰が聴いても満足のいくような「おもてなし」がされていました。

サエラコンサート魅力の一つはオリジナルのいい曲がいくつもあること。この日は『りんごセレナーデ』『玉手箱』『白もくれん』『セバマダノ』『恋して青森』の5曲が披露されました。ピアノの高橋朋子さんは『玉手箱』以外の4曲を作詞・作曲されています(『りんごセレナーデ』は作曲のみ)。何という才能でしょう。

★『りんごセレナーデ』
この曲には冬の肌寒い津軽の空気感があって、津軽の風土をさりげなく感じさせてくれる曲です。ちょっと聴くだけで津軽の空気感が伝わってきます。
https://www.dailymotion.com/video/x5dmz1j

★『玉手箱』
作詞:川村真澄 作曲:松本俊明の曲。日常、子育てをするお母さんたちをそっと労ってくれるようなメッセージの歌。この曲は素晴らしく完成度が高く、何度聴いていてもいい。「C'est la vie!(これが人生)」と語りかけているかのよう。シャンソン的な人生観照の歌です。
https://youtu.be/garLA9b16uE

★『白もくれん』
唱歌を現代に蘇らせたような一曲。この曲の清廉な趣は、『琵琶湖周航の歌』や『琵琶湖哀歌』を彷彿とさせます。ただ殆どの人に知られることがないことが惜しまれます。
https://youtu.be/gpDQ_hg16JM

★『セバマダノ』
せば、まだの。
とても懐かしい津軽弁です。民謡調のアレンジですが、言葉も曲の印象も不思議にシャンソン。津軽弁はフランス語に似ているとかねてから感じています。亡くなった義母の津軽弁の声を聴いているかのようです。
https://youtu.be/lQyX7BOg9i4

★『恋して青森』
東北新幹線の青森延伸を機に世に放った曲です。メロディーが調子いい。昔、子どもの頃に聴いた昭和歌謡、1960年代を彷彿とさせます。ロス・プリモスが現代に蘇ったという印象です。
https://youtu.be/WlPmZzmAOgw

★昭和歌謡の数々
昭和の歌謡曲は言うまでもなく、日本の万人のニーズに応える癒しの歌です。菊地さんの美しい歌唱が何よりもかけがえのないものとして感じられました。「愛唱歌」という文化がこういうコンサートの機会などを通じて、少しずつでも共有される輪が広がるのはうれしいことです。

機会さえあれば、またサエラの歌を生で聴いてみたいものです。印象深いコンサートでした。
 
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