上田市の隣にある青木村に子壇嶺岳(こまゆみだけ)(標高1223m)があります。その中腹となる標高900mの付近に「村松の風穴」があります。8/9、青木村の職員の方のお導きによりその風穴をゼミの学生と訪れました。
素晴らしい風穴遺産に出会ったという感動と、アクセス困難の課題とが重なり、「どうぞ皆さんいらっしゃってください」とは言いがたい思いです。
驚くべきは城跡かと見まごうほどの石垣の存在です。これまでに見た風穴は多くが竪穴状のものでしたが、この風穴は違う。風穴が傾斜面に面し、上部は掘り下げ、下部には石垣で堤を築いて、その外観がまるで城跡の石垣のように見えます。
蚕種貯蔵に使われ始めたのが1924年(大正13年)ですから、蚕糸業の絶頂期に作られた風穴です。まさに「蚕都上田」(上田小県を指す)の産業遺産と言ってよいでしょう。地元住民であってもまだまだよく知らない方が多いのではないでしょうか。青木村にこのような産業遺産があることを地元の方々に誇りに感じてもらいたいと強く感じました。
惜しまれることは、山の奥深くにあり、アクセスが難しいこと。おそらくアクセスしやすく環境整備するには多額のコストをかけることになるでしょう。そればかりでなくそれ以外の危険も。現地にはアブが多く、さらにはスズメバチも。幸いにもさされずに済みました。探険や調査というよりもアドベンチャーに近い。こういう課題をどうにかして解決したいものです。
|