山梨県忍野村では、毎年14,15日にかけて、 地区の道祖神場やコミュニティセンター広場など10箇所で道祖神祭/ヒイチ行事が行われる。 忍草地区では、青竹を束ねて御神木を道祖神場に立てる。五色の吹流しを飾り付ける。夜になるとライトアップされ、御神木は観光客にも喜ばれている。 内野地区では杉の大木を切り出して御神木とする。 地域で出産・結婚・新築などおめでたい事があった家からは、ヒイチという三角形の座布団様の縁起物を御神木に付けて奉納する。ヒイチを道祖神飾りとして奉納する地区もある。また道祖神を飾る紙垂は吹流しと同様に五色の色紙で作り、彩りを添えている。 ヒイチは正方形の柄布を縫い合わせて作る。底部分には芯となる竹ひごを通し、もみ殻などを入れる。三角の底辺の隅に小さなヒイチをぶら下げる人もいる。 現在はヒイチを作ることができる人も少なくなったため、作り方を知る人や役員が製作を担当することも多い。 ヒイチは道祖神祭が終わると、縁起物として16日に地域の子供たちが各家庭を訪ね売り歩き、子供達のお小遣いとなる。 子供たちから買ったヒイチを魔除けや災難除けとして玄関に飾る事が習慣になっている。 1年間飾ったヒイチはお正月飾りとともに小正月の「どんど焼き」で正月飾りなどとともに焚きあげる。
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