上田市指定文化財 「上田藩主居館表門及び土塀・濠・土塁」
上田藩主の居館は、真田氏・仙石氏・松平氏の各時代を通して、 現在の長野県上田高等学校の敷地となっている場所にあり、 「御屋形(おやかた)」と呼ばれていました。 居館の遺構である表門・土塀・濠などの往時の姿をとどめています。 表門は、藩主松平忠済(ただまさ)時代の寛政2年(1790)に その前年焼失した居館と共に再建されたものです。 前面には、四本の太い角柱が並び、中央間には大板扉を釣り、 左右には潜りの扉がつけられ、後部の控柱は十六面に削った通し梁でつないでいます。 創建当時の様式がよく保たれており、長野県下最大規模の薬医門として貴重な存在です。 土塀は江戸時代末期の構築ですが、濠と土塁は真田氏の時代の面影を残し、 全体として江戸時代の大名屋敷の外廻りを知る良い例です。 但し、土塀の下部と堀の周囲の石積みは、崩落防止のために 最近施工されたものであり、堀の幅も道路の拡張により狭められています。 (作成 上田市教育委員会)
|