館 三郎 (1825〜1906) 松代藩士、医師
養蚕・製糸の技術者。 安政六年(1859)幕府が江戸の弁慶橋に種痘館をつくると、種痘館に入館して種痘の方法を伝習し、免許状をうけ、1859年に松代に戻った。 藩より伊勢町の御使者屋敷を仮種痘所とする許可をもらい安政六年(1859)に種痘、小児科院を開業した。 また、養蚕・製糸にも関心が深く1871(明治4年)足踏み製糸器械を発明し、これまでの座繰り器での糸繰り作業で拘束されていた両手を解放した。 「糸繰り作業」に集中でき、糸質を高め、生産性を上げることに貢献した。 他にも養蚕・製糸の実務を通じて、「磨より器」、「生糸検査器」などの発明や改良をまとめ、明治7年に我が国で最初の本格的製糸技術書と評価の高い『実地新験生糸製方指南』を刊行した。 館の業績は富岡製糸場に見られる西欧の先端技術とは別な視点で安価な製糸器械や用具を開発して農村などに広めた。
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