タイトル付けは、予想外の恩恵を自分自身に与えてくれます。ビデオを見るだけなら、意識することなく見過ごしてしまうものの多くを言葉として表現しなければならない、という不自由を抱え込むことになります。例えば、白馬ジャンプ会場の背後には五竜岳という美しい山が見えるのですが、「この山は何と言う山なのだろう」と、被写体の一つ一つについての理解が要求されてきます。こうしたものは、Web化を始めた時には、私は殆ど無知に等しい状態なわけですが、調べていくと、そうした疑問は、次第に「わかる」状態へと変わり、一通り、タイトル付けが終わったときには、理解が新たな知識として形成されることになります。Multimedia Mappingの面白さは、被写体と自分自身の関わり(=知識の形成)が生じるところにあるのではないかと思っています。これがあるから、Web制作自体が目的化することなく、自分の楽しみとして興味が持続できる理由ではないかと思います。
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