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ユーザーズマニュアル・基礎編

用途別目次: ユーザーズマニュアル 項目別目次: 利用手順
(初期登録日目次: 2001/11/22 更新日: 2002/03/18)

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/* PopCornマニュアル(基礎編) Ver.2001.1122
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/* 2001/11/22
/* PopCornワーキンググループ
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PopCornとはどのようなものか



【1】はじめに
 MultiMedia Mapping)/生涯学習支援ツール「PopCorn」は、テキスト、静止画、動画、音声などのマルチメディアデータを素材として、手軽にWebページを自動生成するツールです。大量のデータを扱うほど、このツールを使うメリットが活きてきます。とりあえずページを作ってみて、徐々に内容をelaborate(推敲)していくという使い方にも適しています。
 PopCornは、Perlスクリプトライブラリです。UNIX、Windows、Macintoshに対応しています。ツールを動作させるためには、そのマシンで動作するPerlが必要になります。
 初めての方は、まず「PopCornマニュアル(実習編)」をお読みになって、試しにページを作ってみて下さい。ツールの使い方が一通り習得できます。



【2】HTMLの手書きは止めよう
 あなたは、HTMLでWebページを書くのは、わずらわしいと思っていませんか。10ページや20ページ程度の規模(10ページ台)ならまだしも、ページ数がさらに1桁(100ページ台)、2桁(1,000ページ台)、3桁(10,000ページ台)…と増えたらあなたはどうしますか? HTMLを手書きしようとは思いませんね。それ以前の問題として、そんな大規模のWebサイトを作ろうという構想が生まれないでしょう。しかし、PopCornを使うと、これは現実に可能になります。結構、手軽にページを追加できるので、予想外にページ数の桁が増えていきます。とりわけ、「クリップ」という方法を用いると、飛躍的に数が増えるので、2桁、3桁は多くなります。

【3】大切なものは情報そのもの
 Multimedia Mappingは、マルチメディア情報をハイパーメディア化する方法論「Multimedia Mapping法」と、その支援ツール「PopCorn」を一体にしたものです。ツールは誰でも使えるようになると思いますが、ツールを使うことよりももっと大切なことは、あなたが扱いたい情報そのものです。ツールは情報を発見し、生産していくための手助けをするものです。ツールがこんなことをしてくれるといいのになあ、ということがあれば、お知らせ下さい。全てをかなえることは無理かもしれませんが、皆さんのご要望を参考に、徐々にバージョンアップしていきたいと思います。

【4】思考のフィードバックがWebの命
 ホームページの制作で一番大切なものは何だと思いますか? 考え方はいろいろあるでしょうが、私は、ホームページ制作を思考過程そのものと捉えています。何か発してみたい情報、扱ってみたいテーマがあれば、まずは、できるところまでをまとめ、さらに見聞を広め、理解が深まったら、さらにページを追加し、既存の情報に変更を加え、思考の深化のままに、ページを進化させていくことです。このようなフィードバックが手軽に行えなければ、ホームページ制作は楽しく有意義なものになりません。最初からホームページの完成を目指すのなら、それは、別の目的から、Webページ制作を省力化すべきでしょう。よく考えられ、人に伝えるべき情報が既にできているのなら、最小限の手間でWeb化すればいいのです。時間はもっと有効に使う方が賢明です。大切な情報はいくらでもあります。やりたいことは他にもあるのではないですか。時間は、新しい創造活動に振り向ける方がずっと価値があります。

Bushの夢「memex」に近づくPopCorn


【1】連想マッピングの実現=知能メディアへの進化
 「PopCorn」の発想の源泉には、ヴァニーヴァー・ブッシュの「memex」があります。半世紀以上も昔に発想されたはずのmemexは、Webが世界規模で普及した今日になってもなお実現していません。

「私たちが記録をうまく使いこなせないのは索引方式が不自然だからだ。(略)我々の精神は連想によって働くものだ。あることを理解すると、即座に脳細胞の精妙な網目をたどって、連想にしたがって次のことがらへと移る。」
(V. ブッシュ「思考のおもむくままに」、『ワークステーション原典』、p.275、ACMプレス編、浜田俊夫訳、アスキー出版局)

 連想記憶の実現は、人類の大きな課題の一つです。Webは、ある意味でブッシュが構想したmemex以上の情報空間の創造を現実のものとしましたが、知能メディアとしては、極めて不満足なレベルに低迷しています。PopCornでは、ともかく、その目標に向けての第一歩を踏み出しましたので、これから徐々に連想マッピングを具体的に実現していくことにしましょう。

【2】情報の横型の網目
 PopCornでサポートしている相互リンクは、カテゴリー、地域、撮影日、登録日、オプションインデクス1の5つです(なぜオプションインデクス2以降がないのかな?)。PopCornでは、ページの上位構造として、インデクスを自動生成します。これは、連想マッピングとは構造、モデルが異なります。現行のインデクス構造は階層化されたモデルに基づいており、いわば縦型に情報を組織化する網目だと言えます。
 より大切なことは、情報の蓄積が、知識の増大、新たな情報の発見、新たな知識の形成に結びついていくことに貢献していくことです。そのためには、さまざまな場所に点在する情報に新たな連関を発見し、それを新たな情報の網目として組織化していくリンクのメカニズムを実現することが必要になります。横型の情報組織化、それが連想マッピングの支援に役立ちます。

【3】網目の質の向上に向けたアプローチ
 連想マッピングについて、ここで詳しく触れることは止めておきましょう。相当に分量が多くなってしまいます。また、研究途上なので、現時点ではよくわからないことが余りにも多すぎて言葉になりません。当面は、実現できるところから順次、情報の横型の網目を増やす方法をPopCornに実装していくことを考えています。量的な面では、それなりに成果を上げたので、今後は、生産性の向上よりは、リンク構造の質的な向上に、開発の比重が移ってきたと思います。

PopCornで構築されるサイト構造



【1】ページ構成のモデル
 PopCornを使うと、下図のようにページが自動的に組み上がります。ここで関心を集中して欲しいのは、情報の基本単位となるトピックです。トピックは、何か言いたいこと、伝えたいことをページという単位でまとめます。もし、多数の画像やテキストデータを扱いたければ、「クリップ」という方法を使います。「クリップファイル」にマルチメディアデータの一覧を記述すると、クリップページが自動的に生成されます。データ一覧の作成は面倒なので、これも自動化して、なるべく楽をするようにしましょう。



【2】簡単にできるマルチインデクス
 HTML記述で最も面倒くさいのは、ページ間の相互的なリンクです。気をきかせたリンクをしたいと思うと、このリンク付けの作業は、結構な重労働となります。ケアレスミスを誘発すること請け合いです。リンク付けは、全くの機械的な作業ですから、このような単純作業は絶対にやってはいけません。百害あって一利なしです。ページの論理的な構造は、ページの成長と共に変わっていきます。また、タグがたくさん付けられたデータは、素材としての価値を損ねます。同じ素材を将来、再利用したいと思っても、タグが邪魔して、再利用を阻みます。リンクは、ページ間の構造をがちがちに固定してしまいますから、メンテできないページになってしまいます。ページ作りは、初めての時が楽しいのです。既にあるページの手直しなど、退屈で億劫で、ページが増えるほどに、手直しの負担はあなたに重くのしかかってきます。
 PopCornは、マルチインデクス方式を採用しています。あなたは、どのようにインデクスを作ってみたいですか。1つのページが、異なるインデクスマップからリンクされていると、便利ですね。ビデオ画像のように、情報がある地点、ある時間の記録である場合、分類(カテゴリー)というインデクス以外に、地域、撮影日、さらに登録日というインデクスからリンクされていると、ありがたいと思っていましたので、PopCornでは、分類、地域、撮影日、登録日のインデクスの自動生成をサポートすることにしました。これ以外のインデクスも考えられますが、インデクスを増やすと、逆に選択肢が増えて、そのサイトはかえって使いにくいものとなってしまうので、インデクスを必要最小限に抑えておくのは賢明な選択です(現在、オプションインデクスをさらに1つ追加できます。)。
 マルチインデクスは、リンクを極めて煩雑にします。ページの使い勝手は向上しますが、リンク付けの作業は恐ろしく単調で煩雑で途方もなく時間がかかる作業となります。相当、がちがちに相互的にリンクをすることになるので、手作業での修正は死ぬほど辛いものになります。こういう仕事は、プログラムに任せましょう。人間は、情報の生産的・創造的な活動に時間を使うべきで、単調な機械的作業に時間を使ってはいけません。

【3】自動生成されるWebサイトの論理構成
 次の図はPopCornを使って実際に生成したWebサイトのサンプルです。上のモデル図とは違って、何か急にリアルなものに感じられてきますね。早くPopCornを使ってみたくなりますね。




PopCornのフォルダ構造とデータ整理方法



【1】フォルダ構造
 PopCornでは、一つのWebサイト(あなたのサイト)を下の図のようなフォルダで構成します。



【2】データの整理方法
 あなたが作るファイルは、マスタフォルダ、マルチメディアデータファイルを作って、それぞれのフォルダの中に入れます。
 マスタフォルダには、PopCornでサイト生成するのに必要なDBソース、分類キー、地域キーなどのファイルを入れます。詳しくは、「PopCornマニュアル(実習編)」を御覧下さい。
 マルチメディアデータは形式別(ファイルの拡張子に対応)に、拡張子と同じ名前のフォルダを作って、その中に入れます。JPEG画像、GIF画像など、ファイルの数が多い場合は、その中にさらにフォルダを作って、内容別、日付別などの基準であらかじめ整理整頓しておくと、管理がとても楽になります。
 ホームページのHTMLファイル(index.html)は、PopCornでサイトを自動生成する時になければ勝手に作ってくれます。自動生成するホームページはあまり見栄えがするものではないので、後で気に入るように自分で作り直します。
 これ以外のフォルダとファイルは、全てPopCornが自動的に作ってくれます。

DBソースというからくり



【1】DBソース
 マスタフォルダにDBソース(テキストファイル)を作ります。一つ一つのトピックという単位で、データを記述します。テキストエディタで編集するとよいでしょう。詳しくは、「PopCornマニュアル(実習編)」を御覧下さい。

【2】DBソースフォーマット
 DBソースのフォーマットは次のようになっています。サイトタイトルから登録年月日は共通項目で必ず記述します。それ以降の行は個別項目で省略できます。組み合わせも任意にできます。詳しい解説はここでは省略します。

■サイトタイトル
分類インデクスキー
地域インデクスキー
トピックID
トピックタイトル
オプションインデクスキー1
登録年月日
key[TAB]データセット
:
key[TAB]データセット
(改行)

【3】DBソース・記述サンプル
 例えば、次のようにトピックデータを記述します。トピックに対応するインデクス(分類インデクス、地域インデクスなど)は、別のファイル「分類インデクスキーファイル」「地域インデクスキー」にあらかじめ定義しておきます。

■マッピング霞ヶ浦*
(L版)=〔00/10〕アサザ見学会体験記
石岡市[TAB]
2000-digest-02
【Digest版】〔00/10〕オニバス池
non
2000/11/06
subtitle[TAB]休耕田を利用したオニバス池
2000/1001a/0064.jpg[TAB]2000/10/01[TAB]石岡市東田中[TAB]オニバス池
tablequote[TAB]オニバス池が休耕田とは予想外でした。(略)こういう取り組みがもっと広がっていくといいですね。
imageclip[TAB]2000/001001-digest.clip[TAB]2000/dig/1001a/0065.jpg[TAB]2000/dig/1001a/0075.jpg
tablequote[TAB](略)これらのオニバスは霞ヶ浦の浚渫土からみつかった種子からよみがえらせたということです。
2000/001001-digest.clip[TAB]2000/dig/1001a/0066.jpg[TAB]2000/dig/1001a/0090.jpg
text[TAB]<font color="orange">▲</font>画像をクリックすると大きな画像を見ることができます。


 なにやらちょっとわかりづらいですが、このように記述すると、次のようにトピックページが自動生成されます。おまけにインデクスページも出来て、しかも相互的なリンクができてしまいます。「あら不思議」、です。



【4】DBソースのからくり解説
 ここではDBソースのからくりの一部をかいつまんで解説しておきます。

●マクロタグ
 subtitleとかtablequoteと書かれたものは、「マクロタグ」と呼びます。subtitleはトピックページにサブタイトルを定義するためのマクロタグ、tablequoteはテキストを枠で囲って表示するマクロタグです。

●MIMEファイル
 画像やテキストなどのマルチメディアデータは、例えばjpgなどの拡張子を付けたファイルにします。この拡張子はMIMEタイプで定義される、Webの約束事のようなものです。PopCornでは、拡張子の単位にフォルダを作って、その中にファイルを入れておくと、PopCornはこれらのMIMEファイルを参照して、適切な形でリンクしてくれます。jpg, gifなどの場合はインライン画像として扱います。txt(テキストファイル)の場合は、テキストをページ内に取り込みます。

●クリップファイル
2000/001001-digest.clip[TAB]2000/dig/1001a/0066.jpg[TAB]2000/dig/1001a/0090.jpg

 このように書かれた1行があります。拡張子がclipとなっています。これはクリップファイルと言います。”2000/001001-digest.clip”というクリップファイルは次のように定義されています。


2000/dig/1001a/0026.jpg[TAB]2000/10/01[TAB]石岡市東田中[TAB]休耕田の蕎麦畑
2000/dig/1001a/0065.jpg[TAB]2000/10/01[TAB]石岡市東田中[TAB]オニバス池
2000/dig/1001a/0076.jpg[TAB]2000/10/01[TAB]石岡市東田中[TAB]オニバスのとげ
2000/dig/1001a/0063.jpg[TAB]2000/10/01[TAB]石岡市東田中[TAB]オニバスのつぼみ
2000/dig/1001a/0075.jpg[TAB]2000/10/01[TAB]石岡市東田中[TAB]オニバスの葉の筋
2000/dig/1001a/0066.jpg[TAB]2000/10/01[TAB]石岡市東田中[TAB]オモダカ
2000/dig/1001a/0054.jpg[TAB]2000/10/01[TAB]石岡市東田中[TAB]ミズアオイ


 このうち、このトピックページには、このクリップ画像の”2000/dig/1001a/0066.jpg”から”2000/dig/1001a/0090.jpg”の範囲をクリップページにしてリンクしますよ、という範囲指定です。
 このクリップファイルは強力な機能ですが、慣れてからお使い下さい。

その他のこと



 もう少し説明した方がよいことがあるかもしれませんが、とりあえずこれで「基礎編」はお終いです。
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