長野県(信州)上田市に移り住んではや2年が過ぎ、地域社会に対する新たな認識が私の中に芽生えてきました。私がこれまで暮らしたいくつかの県(茨城、東京、山形)と比べ、長野県にはどの県にもなかったユニークさがあります。その一つは小さな地域社会がそれぞれの独自性を主張しつつ、緩やかに同じ県域に並立していること。個人一人ひとりの自律意識が極めて高く、向学心に富み、地域に愛着を感じ地域活動に熱心に取り組む人たちが多い地域社会の連なりが長野県です。一言で言えば自律分散型の社会です。その一方でお互いにつながる意識があまりないのも特徴的です。
長野新幹線などで長野県に入ると、それまでの関東地方とは地域の様相が一転し、豊かな自然と歴史に育まれた信州らしい風景に一転します。高い山々に囲まれ、国内の他地域と比較的隔絶された環境に置かれたことが、長野県の、他者に頼らず行動する自律意識を育んできたのではないかと推察します。
平成の大合併により県内の市町村は125から81に減りました。他県に比べその数が多いことが特色です。とりわけ人口が1000人台(または1000未満)の村が合併後も10もあります。人口10,000人未満の町村が43。これらの小さな町村の多さことが長野県の特色です。
|