「八甲田山の風景を個性的にしているのは、その広大な高原性と、それを覆うアオモリトドマツの群であろう。この針葉樹は、厳冬の強風に吹き曝されるため、決して大きくならない。まるで侏儒の形で、その先端が枯木のようにそそけて、それが一種独特な北方的風景を作りだしている。」(深田久弥『日本百名山』)八甲田山の峠の一つ、傘松峠です。標高1,040m。峠に近づくにつれ、アオモリトドマツが広がってきました。峠周辺はガスがかかり、下界とは全く異なる世界に入り込んだような印象です。道端には周囲から水が流れ出てきます。雨水だけでなく、残雪が融け続けているのでしょう。
|