先日、帰省先の茨城から上田へ戻る道中、車の中でニールセンの交響曲を聴いていました。モーツァルトやベートーヴェンならともかく、ニールセンという作曲家を知っている人は少ないでしょう。
なぜニールセンの交響曲を聴いたかと言うと理由は2つほどあります。 一つは信州大町の名酒「不滅の巨人」がニールセンの交響曲第4番「不滅」を響かせて熟成させたお酒であるということから、「不滅」を聴いてみようと思ったこと。 もう一つはバーンスタインのシンフォニーエディション60枚組の中にニールセンのCDがあって、すぐに聴けるということ。
こうやってニールセンが自分の車で聴くことができるのもネットでCDが安価に買えるからです。バーンスタイン60枚組もネットビジネスだからできるロングテールビジネスの恩恵を受けています。ニールセンが聴けるのもネット時代だから、です。
ニールセンの2番、4番を続けて聴くと不思議な感覚にとらわれます。デンマークの作曲家と聴いても全くピンときません。1865年生まれ。この辺はややピンときます。リヒャルト・シュトラウスより1歳年下。マーラーより5歳年下。シベリウスとは同い年。後期ロマン派と言われる人たちと同じ年代に属し、民族主義と言われる作曲家たちとも横並びです。感覚的にはショスタコーヴィッチに近いかなあ。ロシアとの民族的な近さとか、地理的・文化的な近さをやや感じます。
デンマークと言うと、昔、フイルムセンターで観たデンマーク映画を思い起こします。カール・ドライヤー監督の『奇跡』はデンマークの最高の映画と評価されています。信心深い、敬虔な心情が表出された極めて地味な映画でした。日本人の感覚からはあの敬虔さは臭すぎるぐらいの違和感すら感じるものです。ニールセンの交響曲にも、そういう敬虔さ、地味さが感じられます。
2番は4番に比べるとやや粗さの感じられる作品です。4番はバルトークの「管弦楽のための協奏曲」を連想させます。2楽章は特に木管楽器(特にクラリネット)が独奏楽器的に出てきます。何度も聴くうちに馴染んでいけそうです。
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