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ワーグナー:舞台神聖祭典劇「パルジファル」(全曲)

カテゴリ: おすすめレビュー 地域: どこか
(登録日: 2005/12/23 更新日: 2024/09/30)


1993
ユニバーサルミュージック
ワーグナー, ピエール・ブーレーズ, バイロイト祝祭劇場o&cho, ギネス・ジョーンズ, ジェイムス・キング, トマス・スチュアート, フランツ・クラス, ドナルド・マッキンタイヤー, カール・リッダーブッシュ

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おすすめレビュー


ブーレーズはヴァーグナーがお好き? バイロイトで1960年代後半に「パルジファル」、1970年代後半に「ニーベルングの指環」。作曲活動からの逃避なのか、現代音楽の源泉たるヴァーグナーへの回帰なのかはともかく、精緻なブーレーズの指揮でヴァーグナーが聴けるのは至福の喜びです。

それにしても「パルジファル」の弛緩しきった音楽のけだるさといったらありません。放蕩・贅沢・傲慢の限りを尽くしたヴァーグナーが晩年になって、魂の救済を願ったのでしょうか。ヴァーグナーとは思えないほどに緩い音楽で、この緩さがまさにこの作品の魅力です。

「パルジファル」と言えば、ジーバーベルグの変態的な映画がありました。よく、この一見退屈なオペラを映像化しようと思ったと思うぐらい。ただそれを見て、このオペラ、これぐらいに甘美で官能的なんだと実感させてくれました。

ブーレーズの指揮はそれとはまた違って音に集中して聴くほどに味わい深く、ヴァーグナーのポリフォニックな構造感覚を体験させてくれます。これだけでも聴く価値が大きい! 聴いているうち、ついついまどろみに誘うあたりも「パルジファル」の魅力です。

満足度★★★★★
 
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