シェーンベルク:グレの歌
カテゴリ: おすすめレビュー 地域: どこか
(登録日: 2005/10/03 更新日: 2024/09/30)
2001 ソニーミュージックエンタテインメント ブーレーズ(ピエール), ブレーズ(ピエール), シューンベルク, トーマス(ジェス), ネイピアー(マリタ), ミントン(イヴォンヌ), ニムスゲルン(ジークムント), ボウエン(ケネス), ライヒ(ギュンター), BBC交響楽団
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おすすめレビュー
声楽曲なのに声が気にならないのは日頃聞けるかどうか、運命の分かれ目。その点、「グレの歌」は気にならずに聞き流せます。これは結構重要で、BGMで流せないと日頃なかなか聞けるものではありません。
それにしても長い曲です。山形から小国経由で新潟へ向かう道中、途中から聞き始めて新潟に着く頃もまだ終わらなかった(笑)。その後、山形から上田に引っ越しましたが、上田を経って関越道経由、外環経由で三郷へ着く頃までたっぷり聞けます(笑)。何しろこういう長丁場の作品というのは、高速移動の車中でもないとまともに聞く気になれません。
私が選んだCDはこれです。ブーレーズ指揮。昔、小澤征爾+ボストンSOで親しみました。2005年にはサイトウ・キネン・フェスティバルで、小澤+サイトウキネンが何とこの「グレの歌」をセミステージ形式で演奏しました。生で聴きました。オケがめちゃくちゃよく鳴る。思い切りロマンティック。豊穣な音色。クリムトの絵画を彷彿とさせる名演でした。それに比べるとブーレーズは、何ともクール。盛り上がらないこと甚だしく、ロマンティシズムが皆無のごとく。20世紀の巨匠(=ブーレーズ)が20世紀音楽の源泉として回帰したシェーンベルクのロマン主義末期の作品の、あのロマンティシズムにのめり込みたいけどのめり込めないでいる、もてあまし方の楽しさみたいなのが、ブーレーズで聞く「グレの歌」の一番の魅力のような気がします。
満足度★★★★☆
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