昨日大町から車で家に帰る途中、車中でFM放送を聴いていました。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第8番(ラズモフスキー第2番)のライブ録音を放送していました。大好きな曲の一つです。それで思い立ったのが「My Favoritesクラシック」は何かということ。ラズモフスキーを聴きながら、頭に浮かんだ曲をリストアップしてみました。全部で17曲あります。
☆バッハ/平均律クラヴィーア曲集・第1集 24の調性、和声とその分散=メロディー。平均律の魁をなすあまりに偉大な曲。一つ一つの曲がとてもいい。まるで音階の小宇宙。
☆バッハ/ミサ曲ロ短調 バッハの宗教音楽、声楽曲の中でもこれが最高。何度聴いたか計り知れません。
☆バッハ/音楽の捧げもの 対位法と言えばなんと言ってもこの曲。技法こそが美しいという音楽の極みのような傑作。
☆バッハ/フーガの技法 対位法と言えばもう一つこの曲。こんなあまりにも渋い簡素なテーマで全部変奏し続けしかも対位法で書く。恐るべき"スーパー地味"曲。至極の名曲です。
☆モーツァルト/フィガロの結婚 生きる喜びに満ち溢れています。第1幕、第2幕が特にいい。第2幕のフィナーレはオペラの最高傑作ではないでしょうか。モーツァルトの時代、どうしてオペラはこんなによかったの?と思います。
☆モーツァルト/交響曲第39番 こんなに地味で味わい深い交響曲を他に知りません。モーツァルトは数々あれど、その交響曲1曲選ぶとしたらこれ。何度聴いても飽きがきません。
☆モーツァルト/ピアノ協奏曲第27番 こんなに落ち着き澄み切った音楽が他にあるでしょうか。死に際に聴きたいと思う一曲です。
☆ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第16番 数あるベートーヴェンの中で一番好きな曲。総じて弦楽四重奏曲はどれもいい。16番はそれ以前と比べて重苦しくなく、音楽の楽しみの感覚に溢れています。
☆シューベルト/交響曲第5番 シューベルトが19歳の時に作曲したと言います。第1楽章は特にお気に入り。ういういしさ、心優しさにあふれ、まさに癒しです。
☆ワーグナー/ローエングリン ただただ陶酔してしまう美しさ。個人的にはロマン派は敬遠する傾向がある中でなぜかワーグナーだけは例外的に大好きです。
☆ワーグナー/神々の黄昏 人生の中でこの曲なしに生きていけないぐらいに心に染みついてしまった愛聴曲です。現代に続くワーグナーの音楽の新しさを感じます。第3幕後半のジークフリートの葬送行進から世界が浄められる大団円までの音楽には釘付けです。まさに心の虜。
☆ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ この世とは思えない穏やかな美しさを湛えた名曲。たとえ仏教でも葬式にはこれを流してもらいたいと思うぐらいに惚れ惚れします。
☆シェーンベルク/浄められた夜 ロマン派の中でも、思い切りロマンティックな曲の極めつけがこれ。ロマン派の音楽は総じて敬遠気味なのにシェーンベルクのロマンチシズムにはぞっこんです。深まる夜の、凍てつくような澄み切った空気感が伝わってくるような叙情性が素晴らしい。
☆シェーンベルク/月に憑かれたピエロ 100年前には前衛だったこの曲の表現性は今もなお新鮮です。こういう大胆な表現をしたシェーンベルクの偉大さを実感。
☆ウェーベルン/管弦楽のための5つの作品Op.10 私のフィーリングに最も合っているのがウェーベルンです。extremely cool! 肥大化したロマン派をガス抜きしたら、こういう寡黙な傑作が生まれたという感じの一編。一音一音の存在感があって絶妙です。音が空間に浮遊しているような感覚がたまらなく好きです。
☆ウェーベルン/ピアノのための変奏曲Op.27 ピアノの曲がこんなに寡黙でありつつ力強いという曲を聴いたことがありません。この曲を弾くピアニストの手の動きが面白い。シンメトリックに左右の手が交差したり、強弱の極端な対比をするなど、バッハとはまた違った技法があると気づかされます。
☆武満徹/弦楽のためのレクイエム 何度聴いても飽きず、聴くほどに深みが増していく不思議な曲。我が国からこのような素晴らしい音楽が生み出されたことの幸せを感じさせてくれる一曲です。
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