映画『風と共に去りぬ』(1939年、以下『風』)について、このところ心の中に音楽が蘇ってきてどうしようもなくなっています。心の中で蘇るのは高校生の頃に買ったLPレコード「オリジナルスコアによる『風』」というもの。我が家の押し入れの段ボール箱の中に詰まっているはずなのですが、どのみち、探し出したところで再生する手段もないのであきらめています。昔のLPレコードは現代ではCDになったりして意外に手軽に手に入ったりします。ところが、「オリジナルスコア版」は全く見つかりません。毎日無性に聴きたくなっています。
『風』の音楽はマックス・スタイナーの作曲によるもの。スタイナーという名前は『風』で初めて知ることになりましたが、そのLPレコードの解説文が理解を深めるうえで非常に重要な情報源となっています。今読み返すことができませんが、何が書かれてあるかはかなり鮮明に記憶しています。
スタイナーはヨーロッパでマーラーなどに師事して作曲を学び、ヨーロッパの正統的な音楽を継承した作曲家と言っていい。『風』の音楽はワーグナーの音楽を映画音楽に適用したといってもいいぐらいの徹底したライトモチーフ技法によるもの。さらに、南北戦争の時代の音楽をふんだんに渉猟しちりばめています。「映画音楽はこう書くべし」とでも言うべき模範的劇音楽です。映画も素晴らしくいいですが、それ以上に私個人は音楽の質の高さに感じ入っています。何としてもオリジナルスコアで聴きたい。
サウンドトラック盤はいつでも買えます。しかしサントラ版は何をおいても音質が悪い。それから映画音楽のサウンドトラックは演奏の質も悪い。正直あまり聴きたくない。
ということで『風』のオリジナルスコア演奏が無性に聴きたくてしようがありません。
そんなことを思ってネットで"Gone with the Wind"と"Original Score"をググったら、次の論文が見つかりました。マックス・スタイナーの音楽を研究したものではありませんが、『風』で使われた米国の伝統的音楽について研究されたものです。修士論文として書かれたもののようです。
☆AMERICAN TRADITIONAL MUSIC IN MAX STEINER'S SCORE FOR GONE WITH THE WIND https://etd.ohiolink.edu/rws_etd/document/get/bgsu1282344604/inline
映画『風』はDVDで再生してみることができます。ただ、音楽そのものを鑑賞したい。思いが尽きません。
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