「東京ラプソディー」〜古賀政男 作品集2
カテゴリ: おすすめレビュー 地域: どこか
(登録日: 2006/03/30 更新日: 2024/09/30)
2003 カメラータ東京 藍川由美, ウィーン・シュランメル・アンサンブル, ブラインシュミット(ヴォルフガング), 古賀政男, 島田芳文, 高橋掬太郎, 佐藤惣之助, 西條八十, 石川啄木
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おすすめレビュー
ウィーン・シュランメル・アンサンブルの演奏の艶々しさ。この文化的なブレンディングの心地よさというのか、艶かしさというのか、たとえようのない独特な音楽の感触がたまりません。
これは確かに、あの聴き慣れた古賀メロディーなのですが、不思議に日本離れして、異国情緒が漂ってきます。それを一番感じさせてくれるのが「サーカスの唄」の艶かしさ。いわゆる「ジンタ」と呼ばれるサーカス小屋の音楽の響きです。朝鮮半島の香りを感じるのですが、古賀メロディーに特徴的な3拍子ではなく、これは意外にも4拍子でした。それでいてもっと西よりの大陸の香りが漂ってくる。懐かしく、それでいてかつて聴いたことのない不思議〜な文化的ブレンド感。
スターリン時代、樺太から中央アジアへ強制移住させられた朝鮮人女性たちが自分たちの民族音楽と思って「天然の美」を歌っているという話を姜信子さんという人がラジオ深夜便で話していたのが、これまた非常に記憶に残っています。 http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0018140/top.html シュランメルの響きを聴いたときに、そうそう、これはあの中央アジアの女性たちの音楽にとても近い、と感じました。
とても印象的なのがクラリネットの響き。「サーカスの唄」に「クラリオネット」という言葉で出てきてこの言葉の響きもとても印象的。艶っぽい。
シュランメルって、オーストリアの大衆的な酒場音楽なんですよね。シュランメルもとても艶っぽいでしょう? それが古賀メロディーに溶解してしまった感じです。
他の曲も推して知るべし。古賀メロディーがコスモポリタンな民族音楽に感じられてきました。古賀メロディーの認識を根本から覆されました。
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