霞ヶ浦環境科学センター。施設と施設名称は立派なんですけどね。無作為施設に成り下がったのも我々のコミットメントが足りなかったせいか、と思うに至りました。情けないです、ホント。
水質浄化。だいぶ以前に茨城県に霞ヶ浦対策課が出来たのは水質浄化が目的。自然科学の英知をもってしても焼け石に水の効果しかないのは周知の事実。自然科学だけで解決しないのは明らか。水質浄化だけが霞ヶ浦対策でないのも明らか。にもかかわらず過去に敷いたレールが軌道修正できずに血税を使ってセンターを作ってしまった。
さて、先日19日の「ミリオンズレイク調査研究事業報告会」で、荒川康さんが面白い話をしました。
潮来市延方にアンコウ川という里川があり、ドブ川のような汚い川を浄化したいと住民2人が炭で浄化させることを思いついて、炭を川に沈めることを始めたという話。行政の回し者ではないかとか、下心があるのではないかと変な目で見られたらしい。しかし彼らは川をきれいにしたい一心でやっていることが住民に浸透し始めた。ついには住民が自ら汚水を流しているのを気にし始め、13%の下水化率が90%にまで高まり、アンコウ川には綺麗な水が戻ったという話。
これには続き話があり、行政がよかれと思って、炭で水質浄化する公園を作ったとのこと。こういういらないことをするのが行政の性です。
この報告をした荒川さんは語り部でしょうか。社会科学の調査報告にもかかわらず、あまりにも話がよく出来すぎです。まるで「裸の王様」のような話じゃありませんか。
自然科学のどんな英知よりもいちずな人の思いの副作用に力があった、ということが最大のオチ。炭で水質浄化はかなわなくても、その人たちがそこで何かやっているということが心理的に住民の環境対策を促進したわけです。
水質浄化の霞ヶ浦対策って何だったの?と思いますね。
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