富岡製糸場は2014年世界遺産に登録され、同年、繰糸所、東置繭所、西置繭所の3棟が国宝に指定されました。いずれも1972(明治5)年の建築です。
国宝「西置繭所(西繭倉庫)」が改修工事に入り、内部が部分的に公開されていました。東置繭所は来館者向けの展示スペースとして一部が利用されていますが、西置繭所を見るのは今回が初めてです。建物の内部を見学できる幸運に恵まれました。
木造レンガ造りの建物は重厚な印象です。内部の構造も中央部に柱が立ち並び、天井も高く、壮観です。通風のための窓が両壁に多く設置されている構造にも特色があります。後年に建築された製糸場の繭倉庫と比べてみるとこの繭倉庫はなぜにここまで重厚であるのかとの疑問が湧きます。旧常田館製糸場は建物全体を軽量にし、大きな柱も設けず、力がほどよく分散する構造をなしています。比較するとあまりに重厚です。ここまで天井を高くする必要もない。疑問が湧いて興味をそそられます。
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