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御朱印蔵

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(登録日目次: 2002/03/29 更新日: 2019/06/17)


御朱印蔵



 敷地内の広大な庭園の最も幽遠な場所に、掘をめぐらした御朱印蔵が建っています。

 御朱印蔵とは朱印状の収蔵庫で、近郷吉川村の新山神社から譲り受けた御朱印状を納めるために、6代目掘米四郎兵衛則勝が願主となって、文久3年(1863)に建立したものです。唐破風向拝付入母屋造の土蔵で、棟梁は松田仁作、設計および正面 の彫刻は細谷藤吉、木鼻の御子は高山文五郎の作、ともに郷土の生んだ名匠です。

  文五郎は、子の富重とともに能登の総持寺などの彫刻を行った名工の一人で、昔の谷地の職人の伎倆の高さを顕示しています。御朱印蔵は幕府の権威を誇示した建築ですから、明治政府の代になるとすべて取り壊されました。しかし、この地は辺地にあったほか宛名がよその朱印状であったこともあって、難を逃れ残ったのです。御朱印蔵としては県内唯一のものであり、全国的にも極めて珍しい建造物だといわれています。

  しかし、重要文化財にはなっていません。開館する際に頼んだ箇所の化粧直しをしたからです。貴重な遺産や由緒のある文化財の保存は難しいものです。


撮影場所:紅花資料館、撮影許諾者:河北町文化財課
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