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長大前川ゼミ:地域の記憶 [13/12/09]鴻の巣01

鴻の巣説明

カテゴリ: 上田観光スポット 地域: 上田
(登録日: 2014/10/18 更新日: 2019/05/21)

 上田市指定文化財 鴻の巣
 上田市文化財保護条例第5条の規定により左記のとおり指定します。
   記
  1、種別及び名称 名勝 鴻の巣
  1、所在地 上田市大字富士山字上原守沢1959-1番地
  1、所有者 上田市
  1、指定年月 平成10年11月18日

 今からおよそ2000万年前から500万年前の新生代第三紀中新世という
時代、このあたり一帯はフォッサ・マグナと呼ばれる海域で、海底には、溶岩や
小石・砂・泥などが積って厚い地層をつくりました。鴻の巣の岩石は、そのうちの
約1300万年前から950万年前にかけて堆積した礫岩と砂岩で、「青木層」と
呼ばれる地層の一部分です。
 鴻の巣の地層は、地殻変動によって長い年月をかけて海底から隆起するときに
圧し曲げられ、北側に40度から60度ほど傾斜しています。崖に見られる茶色の
横縞模様は、隆起後に地層の境目に浸みこんだ鉄分の色です。砂岩層には、
木の葉の化石も見られます。
 礫はおもにチャートという岩石です。他に黒色の粘板岩や硬砂岩、白っぽい
流紋岩、それに緑色凝灰岩などがあります。純粋なチャートは白色ですが、
不純物が混ざった灰色・緑色・褐色など様々な色のものがあります。
 チャートや粘板岩は、上田小県地方にはない岩石ですので、佐久山地や
赤石山脈方面から運ばれたものと考えられます。また、緑色凝灰岩は、太郎山や
独鈷山地域の岩石で、それが礫として入っていることから、当時これらの山の
一部は陸地になっていたことがわかります。
 鴻の巣の崖は、幅が東西およそ190m、高さが最高約60mで、堆積岩の
崖としては上田市では最大です。崖のすぐ下を流れる鴻の巣川の浸食によって、
地層が削り取られてできたものです。礫や砂は水を含みやすくもろいので、
絶えず少しずつ崩れ落ちています。
 鴻の巣の名称の由来は、昔、雁の一種の鴻(ヒシクイ)か鶴の仲間の鸛
(コウノトリ)が営巣した場所と伝えられていますが、確かなことはわかりません。
 保存上の注意
 ●崖の上や谷間には、みだりに入らないこと。
 ●土砂の採掘や採取を禁ずる。
 ●植生環境の保全に努めること。
 平成11年3月   上田市教育委員会 

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