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OMF2018/ロバート・マン メモリアルコンサート 2018/08/19

カテゴリ: サイトウ・キネン・フェスティバル松本 地域: 長野県
(登録日: 2018/08/20 更新日: 2024/09/30)


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記録日: 2018/08/19

ふれあいコンサートT〜ロバート・マン メモリアルコンサート〜
2018年8月19日(日)開演 17:00
会場:ザ・ハーモニーホール

<プログラム>
《弦楽四重奏》(各グループ1つまたは2つの楽章を演奏)
演奏:小澤征爾スイス国際アカデミー

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番 ホ長調 「ハープ」 Op.74
Vn:キム・スーヤン、ジュリアン・ズルマン、Vl:ヴィオレーヌ・デスペルー、Ce:キム・ブンジェン

ブラームス:弦楽四重奏曲第2番 イ短調 Op.51
Vn:アリョーナ・バーエワ、クレマンス・ドゥ・フォルスヴィル、Vl:赤坂 智子、Ce:マチェイ・クワコフスキー

ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 Op.10
Vn:マリー=アストリッド・ウロ、藤瀬 有芽、アルトVn:ララ・アルベサーノ、Ce:蔡幸涵

シューマン:弦楽四重奏曲第1番 イ短調 Op.41
Vn:レベッカ・ローゼマン、クララ・メスプレ、Vl:ジョアネス・メルレ、Ce:ジョナサン・ローゼマン

チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第3番 変ホ長調 Op.30
Vn:岡田 修一、アレクサンドル・パスカル、Vl:カロリーナ・エレーラ、Ce:ダリマ・ツィーレンピロヴァ

《弦楽合奏》
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第16番 ヘ長調 Op.135 より第3楽章(弦楽合奏版)
【弦楽合奏追加出演者】
Vn:城代 さや香、佐橘 マドカ、島田 真千子、白井 圭、滝 千春、直江 智紗子、三上 亮、後藤 和子
Vl:大島 亮、瀧本 麻衣子、Ce:辻本 玲
 

雑記帳


■ロバート・マンとSKF/OMF

8/19、セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)2018の「ロバート・マン メモリアルコンサート」を聴きました。

★ふれあいコンサートT〜ロバート・マン メモリアルコンサート〜
http://www.ozawa-festival.com/programs/chamber-01.html

ロバート・マン氏はOMFが「サイトウ・キネン・フェスティバル(SKF)」の時代から同フェスには欠かせない人物のお一人でした。今年2018年の元日にお亡くなりになり、今回はその追悼コンサートとして企画されました。毎回、SKFのプログラムに氏の写真が掲載されていてよく記憶しています。

SKFをふり返ってみると私が氏の演奏に接したのは2000年のふれあいコンサートでした。音楽と語りのコンサートでした。女性の方の朗読が印象的でした。今回のコンサート冊子の解説でその方が氏の奥様であることを知りました。

■小澤征爾スイス国際アカデミー

この日のプログラムは小澤征爾スイス国際アカデミーによる弦楽四重奏の演奏がメインです。冒頭、マン氏の生前の記録映像の触りが紹介された後、アカデミーによる弦楽四重奏、マン氏の娘さんのスピーチ、弦楽合奏という盛り沢山のプログラム。17:00に開演し、終わったのが19:25。通常のコンサートにしては異例に長いものでした。いくつかの理由から印象深く、また感動的なコンサートでした。

★小澤征爾スイス国際アカデミー
http://www.fondationlouisvuitton.fr/ja/concert--aca…ozawa.html

小澤征爾スイス国際アカデミーは小澤さんが若手演奏家の育成を目的にスイスで開いているもの。奥志賀でも同様のアカデミーを開いています。

★番組「小澤征爾 若き才能とつむぐ四重奏」
https://www.bs11.jp/special/post-68/
私はこの番組でアカデミーを知りました。2015年のアカデミーの活動を記録したドキュメントです。私は2017年11月、テレビで放送された時に見ました。録画し、時折り見直すのを楽しみにしている番組です。

世界から選抜された若い演奏家たちが小澤さんや講師から指導を受け、お互いに刺激を受けながら自身の音楽を磨いていくアカデミーの若者たちの姿は感動的です。

この日のコンサートははからずもそのアカデミーのメンバーが次々に四重奏を披露するもので、いわゆるプロの演奏家が演奏をする通常のコンサートとは趣向が異なるものでした。

アカデミーの学習成果を発表するプログラムという性格上、全曲演奏はなく、シューマン、ドビュッシー、ブラームス、ベートーヴェン、チャイコフスキーの弦楽四重奏の一部の楽章のみを演奏するプログラムです。こういうアラカルト的コンサートは通常経験がなく、非常に面白い。昨年、軽井沢で聴いた次のコンサートもアラカルト編成のものでした。

★軽井沢国際音楽祭ブランチ・コンサートを聴く
https://sns.orahonet.jp/blog/blog.php?key=16434

考えてみれば、歌舞伎も文楽も演目の全編が上演されることは殆どなく、「〇〇の段」のようなごく一部の場面をアラカルト編成で上演するのを常としています。コンサートにも楽章単品のアラカルト方式がもっと広がっていったらよいのではないかと思います。

シューマン、ドビュッシーは意外によい。オーケストラやピアノ曲が有名で室内楽曲はこれまで聞く機会が殆どありませんでした。灯台下暗しです。改めて全曲を聴いてみたいと思いました。ブラームスは格調がありますが、私には少し波長が合いません。ベートーヴェンはさすがにいい。全集のCDでも聴いていて今さら、という感じです。この機会に第10番も全部を聴き直してみよう。弦楽四重奏ではベートーヴェンは別格の感がします。

■ロバート・マン追悼のインパクト

アカデミーの若手演奏家たちが師であるロバート・マン氏を慕い、追悼の意を表す思いが観客に伝わってきました。最後の演目、ベートーヴェンの弦楽合奏はマン氏から教えを受けたメンバーによる追悼の演奏。アンコールで演奏されたベートーヴェンの「カヴァティーナ」はマン氏がアカデミーで練習曲にしていた曲とのこと。この日のコンサートがより一層印象深いものとなりました。

終わった後も快い余韻が残りました。
 

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おらほねっと/ミッチーのブログから転載
OMF2018/ロバート・マン メモリアルコンサートを聴く
2018年08月20日(月)
https://sns.orahonet.jp/blog/blog.php?key=16877

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