<大月の伝統芸能を楽しむ集い会場での配付資料より>
「朝顔日記」
一目ぼれして恋を交わした二人が些細なきっかけで別れ別れとなり、何度も訪れる再会のチャンスを逃がして、女はついに盲目の芸人にまで身を持ち崩す。すれ違いの恋がテーマ。山田案山子作。一八三二年(天保三年)初演。 「宿屋の段」では、箏唄や、名を朝顔と改めた深雪が身の上を物語るくどきなど聞かせどころの連続。 「大井川の段」は、駒沢次郎左衛門こそが恋い慕う宮城阿曽次郎とわかって、朝顔(深雪)は髪ふり乱して後を追う。すれ違いがつづいただけに、その思いの激しさは見るものを圧倒する。
追分人形芝居の十八番で、昭和四十五年三代目西川伊久造(天野晃)の最終公演、昭和五十七年山梨県民俗芸能ふるさと祭ほか数多く上演されてきた。
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