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甲府城の江戸時代初期の絵図が京都大学で見つかる


 山梨県教育委員会が平成20年3月3日、甲府市・県民会館で開いた「甲府城跡保存活用等調査検討委員会」(萩原三雄委員長)で、山梨県史跡「甲府城」の江戸時代前期の様子を描いた古絵図が、京都大工学部建築系図書室に保存されていることが報告された。
 新聞各紙の報道によると、この絵図は、県教委と同委員会が行った「甲府城天守閣復元の可能性などを検討する調査」の過程で2月22日に発見された。
 図書室にあった甲府城関係の資料は2点確認された。一つは、「甲府城並近辺之絵図」と題され、縦2m14cm、横2m33cm。色付きで、土塁や石垣などが高さや幅などの寸法も含めて詳細に描かれていた。
 調査では、この絵図が甲府城の大修理が行われたとされる1664年以前の制作と推定している。甲府城の絵図としては、最古の部類と推定している。
 絵図によれば、調査のいちばんの目的であった天守閣はなかったが、天守台は描かれていた。また、城の北東側にある稲荷曲輪(いなりぐるわ)には、平成に復元された稲荷櫓(いなりやぐら)のほかに、これまで形が不明だった2棟の櫓が描かれていた。位置関係も、これまでの県教委の発掘調査で見つかった初期の遺構と一致したという。
 また、城西側にある米蔵の近くに、「湯」と記された四角い石囲いの施設が描かれていた。ある調査委員は「源泉の湯をためて、風呂に入っていたのではないか」と推測している。
 
 今回の調査では、もう一つの資料として、1724年以降に描かれたと推定される「城下絵図」も見つかった。城の土塁の規模や、城や城下町に植えられていた植物も描かれており、当時、どういう城下町が形成されていたか分析できるという。
(参考情報:山梨日日新聞、読売新聞)
 
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