端山/先に進みましょう。
構造ですね。
これを認知科学と設定しましたが、今度は社会動学の視点から見ていきます。
古い学問体系で言うと社会科学、今は社会動学です。
社会が時系列的に変動していく。時間的に変動していく。状態を捉えていったとき、社会のメディアがポテンシャルになる。
社会のポテンシャルが変わっていくときに、動力学的なものを捕まえようという学問。
変わっていくときに社会メディアがどうかわっていくか、社会メディアの変質の解析です。
非常に新しい学問でまだ学会もできてないところですが、その視点から見ていきましょう。
社会動学です。
皆さん、一緒に学会作りましょう。
大脳を裏返しにして、地球を包む。
また、またわかりにくいですが、メディアの形をみるとわかると思います、
例えばこれ(リモコン)をもちますね。手のひらで持つとちょうどいいくらいにデザインされてます。
手のひらに持って、親指で操作すしやすい。
この機械に対して意思を伝えることができる。
(手を前に出すのは)この動きは意思を伝えようとしている。(前にだすような動き)
手のひらの逆の形をしていますね。だから掴みやすい。
椅子と机を考えても、人間とは逆の形になっている。
背中、お尻、足に逆になるようになっている。
受けるような形になっている。受け取って支えてくれる。
そうすると、椅子の機能をはたす。
体重の中の腰から上の重さを足にかけなくていい機能。これが椅子の機能です。
少し慣れてきたと思いますが、質面倒くさい定義をしていますね。
椅子の条件をみたしていれば、自由なデザインができる。
面倒でもこのような定義をしてみてください。
原理、本質を考えると、人生がすごく楽になります。
ある意味、怖いものがなくなる。
便利です。人間の能力の概念を広げるのに役に立っています。
人間の機能と対応しているので、逆の形をしています。
大脳も機能があります。
この場合のメディアの機能は、大脳のエクステンションに対して逆の働きをします。
これにはこれ、これにはこれ、と逆の空間。
大脳の裏返しの働きをする。それが地球をつつむ。
大脳に対応するメディアは、大脳と逆の形をしている。
これが知性のパズル、この場合はウェブですね。
裏返ってないものは、使いにくくてしょうがない。
手と同じ形になっているものが自転車のハンドルだったら困ります。
自転車のハンドルも、握手して、しかも、同じ右手同士ではダメ。
同じものが同じ状態だったら、お互いに拒絶することになる。
そういうデザインをしなければならない。
今日はこれで終わってもいいくらい大事な話をしました。
メディアの設計をするときに「裏返り」の話をします。
肝に銘じてください。
先へ行きましょう。
大学でも2年前話しましたが、わかってくれてますか?
裏返りというのは写像。
逆の位相をもって、AがBと、対応していて、写像の空間を作り出している。
知性媒質というのは人間の能力を外側に広げていく媒質。
人間の存立を支援する機能が媒質。
人間の機能では消化管の機能があります。
これが一本の管です。
気づいてないが・・口から、食道・腸・排出・・・とこれが一本の管、人間は一本の管です。
人間の体は、他には開いてないんですよね。
柔らかいビニールを入れていくと、下から出ていく。
この中を歩いている、1本の管。
消化管に対応する外部機能ができてくる。
消化管に食物が運ばれてくる。畑が消化管。
オーストラリアから牛を運んでくる飛行機も消化管。
ファーストフードも消化管に対応する外部機能です。
その中には雪印のような不徳なメディアもありますが。
しばらく前から雪印を買っていません。
わたしは、森永と明治のミルクも買いません。
森永は砒素ミルクを出しました。
ぜったい許さない。
雪印はぜったい許さない。
手入れをよくした牛肉を買いましょう。
北海道から送ってくれるところもあります、それを買いましょう。
メディアはちゃんと機能をはたしているか。
外務省は役所としての機能を果たしているのか。
先へ行きます。
消化管にいろんな媒質があります。
効果器官。
微弱な電流で動いているのでなく、指を立てろというと、指が立つ。
効果器官です。
効果器官にもエクステンションがあります。
足もアクセルも、外部に対して、機能する器官です。
広げるのがメディア。皮膚は強靱な機能をもっている。
ばい菌が入っても、殺してしまう。
いろいろな媒質があるが、さらに知性媒質というのは大脳に対するメディアです。
文字もタイプライターもコンピューターもそうです。
大脳が地球すべてに広がる媒質です。
知性媒質がそこまでの機能を果たすのか。
ここらは抜かして、時間があったらあとで。
クイズをしましょう。
3つ並べました。
三っつとも同じ特性があります。
「スーパーマーケット」「キャッシュ・ディスペンサー」「回転寿司」
解りますか?
/わかりません。
/それでは、こちらの愛弟子は?
/???
/言っちゃいます。
キャッシュ・ディスペンサーは、どうやって使うか。
カードをいれて、お金があれば出てくる。
スーパーは自分で選んで、自分で勝手にできる。
自分で選ぶ。手にとって、自分でしないと何も起こらない。
回転寿司もそうですね。
ここまでわかってた人?
/はい。(一人、手をあげる)
端山/3つに共通なのは、主体的な行動において使えるということですね。
こういう風にものをみましょう、なんでもね。
スーパーマーケットは、仕入れの方法、大量仕入れをして、安くしている。
安いからではなく、自分の主体性において選んでいる。
相手に主体性がある。こちら側に主体性がある。
デパートは店側に主体性がある。
回転寿司とお好み寿司はほとんど同じ。
アクセス側の主体性による。
回転寿司がそうだと思ってなかったと思うけど、お好み寿司の方がネタがいいし値段が違うけど、機能としては回転寿司と同じ。
こういう特性をもったものが、現代のメディアの基本的な特性。
現代の要請するメディアの特性が、まさにここにある。
4分33秒、ってわかりますか?
(時間を気にして)
これもどうなのかというと、現在の日本を考える上で非常に大事。
4’33”、これを知ってる人?
これはピアノ曲。
ジョン・ケージの作ったピアノ曲。
思い出してくれました?
これは、1952年のウッドストックでジョン・ケージさんが発表した曲。
普通のコンサートでは、拍手をもらい、ピアノの前に座る。
始まる音が出るまでの間の時間はほんの数秒。
ほんの数秒なんです。
その日はそうならなかった。
いつまでたっても、ジャーンとならない。
まだ、ジャーンとならない。
そして1分が過ぎた。
みんな変だと思う。
茶番をやっているのかとか思う。
いろんなことを考えたり、話したりする。
中には怒って帰ったり、そんな状態で4’33”経ったら、彼はかえってしまう。
これがその「4’33”」という曲だった。
まずピアノがなければならない。
演奏家は何もしないで終わる。
この意味を話すから理解してほしい。
現代のメディアには非常に大事なことがら。
誰が音楽として理解したか。
作曲家は何をしたかというと、場所と時間を決めただけ。
演奏家は何をしたか、演奏家は運動のエネルギーとして出す。
じゃあ、音楽はどうなったのかというと、ジョン・ケージの視点は、会場の中でいろんな音がする、それを自分の音楽として楽しんで下さい、というのです。
ここで4’33”、私が黙っているといろんな音が聞こえます。
空調の音、今聞こえましたね。
聞こえるけど、それは情報ではない。
全部それが音楽の要素、その人が聞いたものをその人の音楽として聞いてください。
受け取り側であった聴衆が、主体者側になった。
アクセス側における音楽を提案した。
これが4分33秒の、音楽史上の大イベントです。
みなさんが使っているインターネットもそうですね。
IBM360で原理的なことができるようになった。
1964年でした。
銀行のオンライン化、まさにその時からインターネットが始まった。
ARPA(アーパ)と言われていますが、DARPA、頭にはデファンスのDが付きます。DARPAのネットが始まり、1969年からそうなった。
学術ネットから今のインターネットになったわけです。
その原理は1960年代に始まった。
概念として定義され、テクノロジーとしての解答がされた。
webの上にのせようとしているが、まだ出来ていないんですよね。
問題の提起。これをジョン・ケージはやった。
アクセスによって、音楽をしようとしているが、まだ出来ていない。
2年前にここを卒業して大阪芸大で、ウェブだけでの大学をやっています。
本当はここ(芸工大)でやりたかった。
世界中どこから入学してもいい。
関心領域だけを選んで、質問その他は全部ウェブ上でできる。
顔を見るため、1年に1回会いますが、スクーリングのようなものですね。
質問は自由。レポートは全部添削して返す。
レポートより添削が長くなるくらい、一生懸命やります。
一斉授業の半年より、しあがりが猛烈にいい。
さらに、感覚的な世界、音楽を発生する原理をウェブにのせて公開すると、自分で勝手に作ってウェブにのせておく。
誰かに贈り物してもいいし、情報の上に載せても良い。
棚に載せておく。世界中の人から見える棚の上に内容が分かるように、見えやすいように、わかりやすいように棚に載せておく。
それが私のいう情報棚上げ論です。
世界中から持っていってもらって使ってもらう。インターネットもそうですね。
私が願っていることがだんだんできてきた。
私は60年代からこれを言ってて、誰も聞いてくれなくてずいぶん辛かったですが。もう止めようかと思った。
「棚上げ」これが私の棚上げ論です。学習というのは、自発的なものです。
ガンガン言われて、楽しいものではない。
だから子どもたちが切れるんです。
自分の関心領域を自分で選べば、どこまでも行けるような、これができたら、切れるようなことはない。
4’33”が提起したものは、アクセス側が主体的になるということ。
それで展望です。
ウェブの上で人類の知的な活動、ウェブの開発。ウェブなんて呼ばないで知性媒質。人間の大脳に対応した人類のこれからを支えるものになっていくだろうと、それを考えていきましょう。
ここまでは、だいたいわかったでしょう。
現代の革命は平滑型。
近代のフランス革命のように、破壊的ではない。
あの戦争がなくても現代への移行はありました。
現代への移行は、破壊的爆発的でなく、長い時間かかった。
50年かかって、ここまできましたが、まだみえてない。
20年前はインターネットをこんなに使うとは、誰も思ってなかったろうが、今は普通に使っている。
現代の革命はいつの間にか忍び寄ってきて、あなたを支援しますと言って来ている。
そのタイプの革命をわれわれも進めていきましょう。
行政改革は危険です。爆発的ではなくて、本質をしっかりつかまえた改革をやっていきましょう。
それで、簡単にいうとヒューマン・リソースの3つの機能。
projector, conceptor ,practicierについて。
practicierとは、概念、設計図があれば、実行する人。
我々の手にするものは非常に質が高い。
プロジェクターとは、プロジェクトする人、ものを投げ出す人。
今、現代社会、宇宙で持っている問題をしっかり見抜く人。解析能力を持っている人。自分がつかまえた問題の構造をつかまえる人。その創造を社会に投げ出せる人。要素、構造、方向性を社会に投げ出せる人。
それを受け取って、自分の中で育てて、それぞれの専門の立場から社会に投げ出せる、そういう人。
プロジェクターが投げ出した元気をその人なりに育て、生きることが出きるようになってから社会に出せる人。
ストラテジー(戦略)というのもある。
一つでも欠けたら、戦略は失敗します。
現場の白兵戦だけでほとんどやっている。
大東亜戦争もほとんど白兵戦でした。これが失敗の元。
最も重要なところの解析もしないでいたからだめだった。
(Spirit,Political Structure,Strategies,Operations,Battle)この5階層が大事です。
こんなことがないように、みなさんにお願いですが、必ずこの5階層を考えてください。
これを全部階層的に分離しながらやっていく。
とくにスピリットが大事。
どの機能を持った人が認知して、自分はpracticerだがプロジェクターもできる。
全体を把握しながら、自分の位置付けをしてください。
2070年くらいに現代が終わる。現代は終わらないだろうと皆さん思っているだろうが現代も終わるんです。
現代にはウェブという切り口があった。
一応、これで終わります。
(拍手)
前川/ありがとうございました。
8時ちょっと前ですが、10分間休憩します。
9時までの予定ですから。
お互いのコミニュケーションもあるとおもいますので。
(休憩)
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