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Date: Fri, 1 Jun 2001 11:51:48 +0900
Subject: [popcorn-wg] ビデオ活用G5/31 オフ会報告
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前川です。
ビデオ活用Gオフ会の第1回を昨日5/31、開きました。
参加者は、古山さん、城水さん、山田さん、伊藤訓子さん、尾形さん、高橋悠さ
ん、私の7名です。こじんまりとしたintimateなオフ会となり、たっぷり情報交換で
きました。コンフェデレーションズカップ生中継の時間と重なりましたが、よく御参
加下さいました。こういうアットホームな会もよいものですね。
時間の大半はお互いの情報交換、意見交換に使いました。
ビデオ撮影をWebに展開していく具体的なアイデアを、私のこれまでの取り組みか
ら少しデモさせてもらいました。
●地域まるごと体験記
「マッピング霞ヶ浦*/〔97/05〕出島路」
http://www.kasumigaura.net/mapping/cat/road9705-1.html
約1,500点の静止画をDVビデオから抽出し、Web上に「地域まるごと体験記」として
クリッピングしたものです。初めてこの試みをした97年のものです。画像を20点ぐら
いのまとまりのある単位で1ページに集約する構成をとっています。これだと
1,500点もある画像をもてあますことなく、コンテンツとして手軽に整理できてしま
います。総ページ数がたった87ページに集約できてしまうところがポイントです。
3時間のビデオから画像1,500点を抽出し、サイズ別画像を一括作成し、場所や撮影
したものを地図や資料で調べ、クリップをページに分割集約し、各ページに説明を入
れ、クリップ画像全てにタイトルを付けた制作の総時間は延べ25時間でした。始めて
の試みの時にはそれなりの時間を使いましたが、手抜きすれば5時間ぐらいでしょう
か(静止画抽出の時間は省略できない)。1画像平均1分というところです。
87+1500のページ生成にかかる時間(PopCornの処理時間)は2分ぐらいです。
●景観画像合成
「マッピング霞ヶ浦*/〔99/01〕元日の霞ヶ浦遊覧」
http://www.kasumigaura.net/mapping/cat/9901-lake.html
霞ヶ浦の遊覧船の甲板から周囲の風景をDVカメラで撮影し、Photoshopで合成した
ものです。実際に撮影したビデオもみてもらいましたが、高速船の走行は揺れ・振動
が激しく、おまけに波しぶきが舞い上がるので撮影したビデオ映像のブレ方は凄まじ
いものです。三脚を立てたら撮影できません。それでも静止しているように撮れてし
まうのが、DVカメラの威力でしょうか。撮影している間にも船は進んでいってしまう
ので、素早くパンニングするのがコツです。あのブレブレビデオが穏やかな静止画に
転じる、このギャップが面白いところです。
●鳥の観察
「きらくにバードウォッチング・山形編」
http://www.informatics.tuad.ac.jp/mmy/tohoku/bird-y/ja/
Webの野鳥サイトを見ても、肝心の鳥の写真が殆ど載っていないのですが、どうし
てなのでしょう。きれいな写真を撮るために時間を費やし過ぎて、作品価値を感じて
しまって出し惜しみしているとか、写真点数が少ないとかいうことではないかと思い
ます。
これはきれいな鳥の画像を撮るのが目的でなく、観察手段としてビデオを活用しよ
う、という提案です。観察した鳥はスズメだろうがヒヨドリだろうが、何でも目にし
たものは全て撮っています。チドリ科の鳥など細部を仔細に観察しないと種類が判別
できませんが、これを判別するために静止画を多数抽出し、画像で特徴をよく確認し
て種類を判定します。どこでどんな鳥を見たかを証拠として全部載せ、種類がわから
ないものについては画像で判定、という形で野鳥観察ノートそのものにします。
野鳥の観察方法として、双眼鏡で鳥の特徴をよく観察し、丹念にノートに取ること
が推奨されているわけですが、この方法はとても大変でよほど時間を持て余している
趣味人ですら出来ないと思っています。鳥の特徴を直接映像に収められれば観察ノー
トよりも一目瞭然に特徴を記録できてしまうわけで、メディアが進化した現在、観察
ノートはout of dateになってきたと感じれらます。Webに出せば、第三者が画像を通
して観察(種類の判定など)に参加することもできます。
こうした画像の整理には従来多大な労力を伴ったものですが、PopCornで画像観察
する前にまずページ生成してしまうのが一番楽な方法です。観察ノートは直に
PopCornデータに書き込んでしまう方が楽です。とりあえずこの状態でWeb公開し、整
理ができたら再度更新でいいわけです。
●ビデオ丸ごと採録
「東北どこまでが雪景色?」
http://www.informatics.tuad.ac.jp/mmy/tohoku/199902/ja/
時間がないのでオフ会でデモは略しました。
「ビデオ静止画自動抽出によるデータベースの自動組織化(東北芸術工科大学紀要
) 1.5MB」にこの試みを解説してあります。
http://www.mmdb.net/mlab/maekawa/pdf/ron/ron-0005.pdf
手作業による画像抽出には時間もかかり、たくさん溜まったビデオデータを整理す
ることなどとてもできません。2秒間隔で静止画を自動抽出し、これをPopCornで全て
閲覧可能なWebサイトにしてしまう、という究極のビデオデータ整理法です。これを
画像インデクスとして動画データそのものの頭出しに使うと、Web+ビデオサーバ連携
のもの凄い映像アーカイブが自宅でも作れるようになります。ホスト集中型の映像ア
ーカイブセンターのモデルは、技術環境の進展と共に陳腐化していくことは日を見る
より明らかで、早くから分散型アーカイブのモデルを作り、実際に始めてしまうとい
うのが正解ではないかという気がしています。
より楽に、より楽しく、より有益に。何事を始めるにもこれが基本でしょうね。
「ビデオ丸ごと採録」は別としても、最初の3つはどなたにでも試せるアイデアでは
ないかと思います。
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