ドキュメント(2001年)▼02
地学連携研究活動支援事業提案書
(登録日: 2001/08/25 更新日: 2002/04/02)
================================================
地学連携研究活動支援事業提案書
================================================
東北芸術工科大学学長殿
(提案者)氏名:前川道博
地学連携研究活動支援事業を下記により提案します。
記
●活動の具体的内容
(1) 活動テーマ
協働学習コミュニティ創造に向けた市民グループの支援活動
(2) 活動の概要
IT(情報技術)の普及により、社会構造はネットワークを介した知識型社会、個人が主体の協働型社会へと移行することが予見されている。本研究では、個人・家庭・学校・市民グループ・地域社会相互を結ぶ協働学習コミュニティ「やまがたネット」(仮称)の創造を目指し、そのミニマムモデルとなる市民グループ「高畠インターネットクラブ」「東根インターネットクラブ」「パソコン支援の会」の技術面での活動支援を行う。具体的支援策として、分散型学習素材循環システム「TripleCorn」(PopCorn、他にPushCorn/InterCornの3ツール)を提供し、これが協働学習の基本となる個人の主体的学習をどの程度有効に支援できるかを検証する。
(3) 技術支援の考え方
前川が中心になって研究開発を進めてきた「TripleCorn」をうまく適用すると、上記のような問題の解決が図れることは、これまでの研究からも予見できる。ITが苦手な人も楽しみながら学習活動にパソコンを利用してもらうことに道を拓くことができることが期待される。本研究では、産学連携研究萌芽育成事業提案「市民参加型地域ポータルサイト構築支援系システムの開発」の研究と連動する形で、その成果を市民グループに還元することにより、実証的・実践的に活動を進める。
(4) 具体的活動
各市民グループのコアメンバーに協働学習コミュニティのあり方、支援技術となる「TripleCorn」の利用法、これを活用した誰にでもできるやさしい学習法を「PopCornワーキンググループ」オフ会、「PopCornワークショップ」等の機会を通して学んでもらう。コミュニティの中核環境の一つとなるサーバ環境は、特別研究「分散素材循環システム『TripleCorn』による地域情報アーカイブの協調制作」(研究者:前川)で運用するサーバを実験的に開放することでその支援を図る。さらに、これらを道具立てとして、魅力あるグループ活動の創造に活かしてもらう。
●活動参加予定者
前川道博、白神浩志、元木伸治、上林憲行(山形大学工学部)
PopCornワーキンググループ、高畠インターネットクラブ、東根インターネットクラブ、NPO法人パソコン支援の会
●活動スケジュール
7〜9月 「PopCornワーキンググループ」オフ会を通した勉強会の実施
10〜12月 「PopCornワークショップ」の実施/各市民グループごとのミニマムプロジェクト立案
1〜2月 各市民グループごとのミニマムプロジェクト実施
●期待される効果
IT(情報技術)活用以前の基本的な問題として、IT活用の可能性に対する社会的な関心が高まる一方で、ITに対する市民のスキルや認識はまだ高いとは言えず、ITを使って何をすればよいのかを見出せないでいるケースも多い。市民有志がお互いにITを学び合ったり、ITを用いて協働学習や地域作りに役立てるコミュニティ創造の取り組みも一部では行われているが、協働的な活動(コラボレーション)を具体的にどのように活動に展開していけばよいかについては戸惑いもみられ、共有する技術も十分に習得できないのが大方の状況である。この背景には、すぐに適用できる(また誰にでも利用できる)技術体系がないことの問題も大きい。
これらの問題を解決し、IT活用を生活の楽しみとして広げていくことで、多くの人が学習活動、IT支援活動を通して地域社会に新たなコミュニティを創造していく展開が期待される。
以上
| |
|