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Web-F(4):ヒューマンリソース01

要約筆記1・レクチャー1

分類目次: Webフォーラム記録
(登録日: 2002/02/10 更新日: 2002/04/02)

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はじめに


前川/自分で自分の能力を高めていく、それが究極の目的。
端山先生は情報環境について、開学以来本大学で研究されてきた。
2年前に退職されたので、その後大学で講義の機会がなかった。今日は特別に講義をお願いした。
これは1983年に出版された端山先生の本(『イメージ・シンセティクス』)。回覧してください。
コンピューターのメディアの可能性に取り組んできた。
作曲家でもあり、20世紀を代表する大作曲家オリヴィエ・メシアンの愛弟子でもあります。

レクチャー


端山/今日のテーマはヒューマンリソース。
一緒に考えましょう。
講義とか、結論を渡すとかではなく、今日の話はヒントです。そこから考えてください。
ヒューマンリソースは何か。
人間はウェブで何を開いたか。
人間をどう変えるか。
前川/ウェブは人間をどう変えるか。
端山/ウェブが主体なのか人間が主体なのかどちらなのか。
どっちだと思う?(フロアに問いかけて)
フロア/人間だと思う。
端山/前川さんが書いてくれた(ボードをさして)これは反対だね。
前川/逆から考えてみるということですね。
端山/このようなテクノロジー、建築などはみんな外側にある。
発生の原理が内側にない。
外でできたものがやってきて、できあがったものが来てしまう。
どう使おう?これが日本の持病です。
中国でできた。アメリカでできた。日本にきた。
それをどう使うか。取り入れてどう使う?となる
順番が逆です。
ここから世界に影響を与えましょう、これが当たり前の話。
どこかで起こって世界に影響を与える。だから、ここから始まって不思議はない。
ここから始めましょう。
ここへ来ちゃった人は運のつきです。あきらめてやるんだ。
やってくれますね。
この「運のつき」というのは、一般には「運の尽き」と言いますが、ここでは、運が付いたと言うことです。
我々の立場でウェブをどう使うか。
新しいものができるくらいのヒントを出します。
1時間で話せというのは、死ねと言われるのと同じくらいです。
ほんとは1年くらいかかる。
1年いてくれますか?
ちゃんと答えますから、半年あとかもしれないが・・・
認知科学というのがあります。
情報空間として大脳は情報処理をするところ、情報をストックするところ。
運動野を通じて入る内側の情報が1対1での写像関係となる。
そういう写像関係をもっている。
内側から写す。
内側に捉えられたものを、適切なプロセスですすめば、理解される。
人でなくても、機械でも適切でないと、なかなか動いてくれない。
大脳は写像として、拡大を支援するものがメディアです。
大脳を一つの空間として入ってくる。
人間の支援が成立してくる。
わかりやすい話ですね。
フロア/しばらくこういう話を聞いたことはなかったです。
端山/しばらくというのはどのくらいですか。高校時代かな。
まず、慣れてください。
自分から慣れようとしないとだめですね。
近づいてきてください、先へ行きます。
ヒューマン・リソース、webにおける部分が、人間の第2の大脳新皮質。
大脳新皮質、これ考えたんです。かっこいいでしょ? 反応して下さいね。
コンピューターは第2の大脳新皮質なんだと思った。
それ以来、延々と使っていますが、私の言葉なんです。
60年代の終わりころでした。
大脳新皮質、この上に見えるのは、全部大脳新皮質。
旧皮質というのは内側に入っている。
皆さんが知ってるティラノサウルスとか、生物はある形をもっている。哺乳類である人類の場合は、これから、始まっていく。人類の明日、21世紀。21世紀を全部支える機能がここにはあります。
ヒトという字は人が立っている。
第1の大脳新皮質、手が自由になり、いろいろなことができるようになった。
音声で言語を考え、記号を考え、非常に大きな文化を支えてきたのが第1の新皮質ですね。
文字、これも第1の新皮質のエクステンション、外延としてあります。
その、言語を含んだエクステンションのおかげで、人類はここまでこれた。
第2のと言うのは外部の肉体そのものとのかかわり、情報処理、お互いの伝達と、明らかに第1の大脳新皮質とは違ったもの。
IBMと言う会社がIBM360(さんろくまる)というコンピューターを作ったんですね。
この名前知ってるヒト?
謙虚にしなくていいですよ。
ここではいつでも論議をしていい。反論していい場所です。
論議をしてください。この場ではわれわれが何を言ってもよいという約束がある。
小さな我々の社会では二つ条件があります。
人格の尊厳を傷つけることは言ってはいけない。
もう一つは、論議の役に立たないことは言ってはいけない。
それはとても大事。
ここでバーゲンセールの話をされても困る。
人格の尊厳を犯さなければ、何を言ってもいいです。
違うと思いますとか言ってもいい。
なぜならこうこうこうだから・・・と、いろんな話をしていい。
何を言ってもよいです、自由にしてください。
論議の場合でも自由に言ってください。
60年代の後半にIBM360と言われたモノができてコンピューターが変わった。
それ以前のコンピューターは非常に機能が低かった。ここから始まった。
1960年代、コンピューターが当たり前でしたが、エニアックはこの部屋の大きさくらいあった。
弾を撃ってから着陸する前に、コンピューターで計算ができると、拍手喝采だったが、今は小さくなっている。
いろんな所にマイクロチップが入っています。
巨大な機能を持ってるのに、非常に小さいもの。
非常に大きなコンピューターから小さくなるまでの間の歴史的なものを説明しなくてもいいですか。
説明した方がいい人手をあげて。
圧倒的多数で、説明します。
がんばってくださいよ。
こういうのを聞きにきてくれるだけで、意識の高い人だと思う。
来週になったら、皆さんの顔がピカピカになって、もう一歩先へ行くために、web通信なんかわかるようにしましょうね。
ウェブで探してこうだと言ってくれるでしょう。
会って顔を合わせて逃げたりしないようにね。
TSS、タイムシェアリングシステムというのは、知っていますか。
シェアというのはききますね。
ワークシェアリングといいます。
ワークシェアリー、働く場所をお互いに分け合って、そして社会のポテンシャルを下げないようにしようとする。
一つのものを分け合う、経済的なシェアを考える。
日本で市場をシェアするというと占拠するという意味ですが、もともとは違います。
シェアするのは、ここでは時間を分け合うこと。
時間によってコンピューターをシェアしようとしています。
IBM360くらいになると、大事な仕事はほとんど終わってしまう。
それくらいの能力になってくると、かってに自分の情報がはいってくる。
1000分の1秒で終わって、あたかも一人で使っているような感じがある。
しかし、時間によって、コンピューターをシェアして、分け合っている。
1000分の1秒はこの人、次の1000分の1は次の人というように時間によって、コンピューターをシェアする。
それ以前のコンピューターは一人で占有して、パンチカードを読み込ませてしばらくすると事が返ってくる。
そうではなくて、要求をするとすぐ答えがかえってきた。
1秒も遅れない、これがTSS。
これによって一つの新しい世界ができた。
コンピューターをお互いに関係のない何十人、何百人もが同時に使える。
お互いの制約を感じないで共同の使用が可能になった。
誰かが頼んだものを誰かがやってくれる。
これがネットワークの始まり。
60年代の終わりころになると、銀行のオンラインが始まった。
日本中どこでも、カードがあればOK。
山形に口座がある、それが北海道から出せる。
非常に便利になった。
IBM360は歴史的な機械です。
ここでも人類の第2の大脳新皮質が見えてきたでしょ。
自分の外側に情報端末を持つ。
記録装置も膨大になり、なおかつ、ラインによって結ばれる。
今度は答えではなく、人類が大脳をもつ。
そのものが大脳新皮質をもつ。
ここまではいいでしょうか?
これが動いている状態、これをみていこうと思います。
動いている状態というのは一番前のwebが主体ではなくて、人間が主体であって、ウェブを私ならこう使うという、主体が内側にある。
webを使うんだったら、私だったらこうすると、要求していく。
主体が自由にエクステンションを延ばしていく。
自由に延ばしていく。
人類の前提における、経路、INTEREST。
個における知的な活動の原理になっている。
これでまた、延びるか。(マイクをもって近づき)
インタレスト、この言葉わかりますか?
フロア/つながってる?
端山/語源はそうですね、すごいです。
どうですか?
フロア/興味がある、関心がある。
端山/一般にはこう使いますね。
先ほどの方はすごいことを言ったんですね。
辞書を引くと書いてありますね。
確かに、「興味」もありますが、「利益」、「利子」という意味が一番大切です。
インタレストというのは、「利益」のことです。
「利子、利益」のことです。
間にある存在。大福餅があって、食べた人がいて、利益が生じます、これがインタレストです。
人間が人間として存在する強いインセンティブがインタレストです。
すべてのメディアが存在するという意味です。
関心というのがあったら、語源に立ち上って考えて見てください。
エティオロジーをやってください。
原理的な構造がわかります。
やり方が分からなかったら、楽しく話ながらが後でしましょう。
そべての原理になっているのがInterestです。
関係がないものが実は関係がある。
およそ利益をもたらすものには、関心が生じますね。
人が自分が関心を示しているものには、自分の関心を注いでいるものからは、必ず何らかのものが生じます。
戻していくとインタレストの原理になる。
これからのメディアを支えるものの一つとして話します
6時から始めてもう、6時50分。何時まで?
前川/予定は7時半まで。
端山/今までのところでも話は、はずれて戻り、しています。
一つの戦略なんです、
迂回路が長いものほど、得るものが多い。
これは教えです、迂回路をゆっくりゆっくりやっていれば、一生かかってしまう。
迂回路をゆっくりやっていると人生が長い。
もうすこし早くすると、皆さんの大脳にはしわがある、知ってますよね。
何でしわが寄っているかというと、面積の上の迂回路。
迂回して150億個という、大脳の細胞を置くことが出来る。
キャパシティがある。
それで、これをちょっと見てください。
紫色の毛糸がもやもやしたみたいな絵、見えますか?
これで何か発見できますか? 大脳の神経細胞です。
この光っているのが神経繊維、シナプス。
シナッチという、樹状突起として、そこによその繊維がつながっている。
この神経繊維とは、どういうつながりかたをするか、これを見てください。
伸びましたか。
これはこの次にこれにつながるのですが、資料を探す時間がなかったので、今日はこれまでしか見せられません。
これは解析した映像で、大脳を解析したものをコマ撮りしたものです。
ずっと繋がってます。
これが伸びるのは、どう言う時かというと、今日のようにもしかすると、あまり皆さんが慣れていなかったら、困るかもしれない、
苦しむのは、わかろうとするため。
理解しようとしなければ苦しむことはない。
人間の一つの基本的な機能に、エントロピーを減らそうとするのがある。
わからなさを減らそうということ。
分からないのをほっておくと破綻します。
解って、意思決定をしたい。
ある飲み物があって、飲んでいいかどうか、わからない。
それを誰かに聞いてみる。
コーラ屋さんにいって飲んでもいいか聞く。
十分な衛生上の保証があれば、安心する。
そこに転がっている豚の死骸を食べていいかどうか。これは大問題。
匂いをかいだりして、エントロピーを上昇させることが、人類を向上させる。
大脳はとても律儀にここに繋いだらわかると知っている。
バシバシとつないでくれる。
ハンダ付けのように時間はかからない。
数万のシナプス結合が出来るといわれている。
その、わからないことが段々解っていって、ある瞬間にわかる時がくる。
ある量に達すると、最後のスイッチが入ったときにわかったとなる。
スイッチが入る。
行く先を解っていて、端からいくつもいくつもつながっていく。
わからなさの度合いを減らす。
これがその問題解決、わからなさを減らす。
何億というシナプス形状。
小学校入ってからわかるまで3年かかるとか、大学に入って4年かかっても分からないとか、沢山の結合をしなければならないが、そうして意思決定できる。
テロ、あれに対して報復をしていいのか、アメリカの大統領はうかつに言ってしまいましたね。
うかつに決めた。思慮が少ない人です。
怖い人ですね、あの人怖いのではなく・・・。
よくよく考えて問題を解決しなければならない。
それが人間の歴史そのものです。
神経性結合がどれほど重要か。
今お世話になっている人には、神経結合は非常に結合が進んでいる人と、そうでない人がいる。
その人が、同じ問題に対して結合していくのは怖い問題です。
その意味で何かに出会ったら、よく考え苦しんでください。
苦しんでください、そうすると、大脳がちゃんとやってくれる。
眠ってる間もやっています。
律儀です。
眠るというのは、それをするために眠るという先生もいます。
昼中に苦しみを仕込んでおく。
その間に、大脳が一生けんめいつないでくれる。
寝ている間も結んでくれている。
起きて「わかった」ということないですか?
夜中にぱちぱちと結んでくれる。
大脳がうれしくて目が覚めます。
結んでくれて、最後の一発がわかったときに、うれしくて起こしてくれるんですね。
さらに、人間全体の価値を具体化する。
ここに、身体カカク(?)の進化があるんです。
これはこんな大脳を縦に切ったものです。(図)
さっきの大脳新皮質と同じ。
この黒っぽいところが旧皮質で、白いところが新皮質です。
これが脊髄。
これが脳下垂体。
ここまで、発達した大脳新皮質を持っているのは人間だけ。
ここまで発達したおかげで抽象的な概念ができるようになった。
抽象化をするという、他の動物にはない。
非常に高度な概念を人類は獲得した。
人類にとって最も重要な機能は、抽象化機能。
非常に高度な抽象化行動です。
強く覚えておいてください。
よく、いろんな会議にいって、「あの人は抽象的なことばかり言う」と悪いことのように言う人がいますが、人でなくてはできない、最も人間的なことです。
虫が通りそうなときに見ぬいて、その地域の虫に丁度いいとこに網をはって、無駄に張らないでちょうどいいウェブをはって、食べやすい丁度いい虫を選んではる。
かかったときに上手に食べてしまう。
強い虫にかかると網はこわれてしまう。
これがクモの能力です。
体の体力をつけて、蜘蛛の中の蜘蛛になりましょう。
もっとも優れた能力はこの抽象化です。
ハートというのは、実は(頭を指して)ここにあるんです。
心臓をハートと言うが、人に優しい、人に尽くす、愛を持つこと。
(頭をさして)心はここにあります。
なぜ見たこともないアフガニスタンの人をかわいそうと思うのか。
アフガニスタンの人を考えるのは抽象化ができるからです。
苦しんでいる人をみて、これをしなきゃというのも抽象化。
抽象化の力はこれほど大事です。
聴覚野や視角野に入ってきます。
大脳に入力され、側頭葉を通じてであったところの事象の統合的なイメージ、その豚がどのくらいきたなかったか、イメージとして、把握することができる。
この時に、評価する機能。
雑多に沢山入ってきますが、雑多なままでほっておくと雑多な人になってしまう。
これが扁桃体です。
自分にとって受け入れていいものかどうか、人によってちがう。
私はこれでいいというのは、評価です。
評価すると、視床下部に入る。
ここにおろされます。
決めた単なる情報が、視床下部にくると、扁桃体がいいといっているのは体が受け入れていいと言っているのだから、受け入れていい。
「体、喜べ」と伝達物質やホルモンが出てくる。
それが血液に入って体中にめぐって体中がさっとする、これが「快感」です。
視床下部が「体、喜べ」という、このプロセスがあると快感を感じる。
このプロセスがないと気持ち良くならない。
夏の熱い日、特に山形は暑くて困っちゃう。その時に冷房のある部屋に入ると、体の熱が下がる。身体は室温の低いところにいようとする。
扁桃体が熱が出ている状態は体にとっていいので、しばらくここにいようと思う。
体中が気持ちよくなる。良い指令が来て気持ちよくなる。
例えば、疲れた時に、砂糖いっぱいの紅茶がおいしい。
そのときに糖分が体中にまわっていいのでなく、これはいいことだから、喜べという手順がある。
意思決定のための評価がどんなに重要か、わかってもらえたと思います。
新しい新皮質をとおって扁桃体に入って、視床下部へいく。
同じ実感が、これが人間の体に起こるのです。
分からなくて困っていた論文が分かって、気持ちよくなるのと、体がサーっとする気持ち良さは同質なんです。
非常に多くの階層があります。
身体化したときの現象は同じ。
財布をひろったときも、わからなかったのが分かったときも同じ。
これについてはあとで、時間があったら話します。
よく言われることだけれど、西洋人と日本人では左右の脳の働きが違う。
評価することが、身体化されること。
腐った肉があったときに食べなくてもむかっとして気持ち悪いのは、初めから拒絶している。
これが×の系(?)です。

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